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つまりそれって・・・

「ファインマンの本はベストセラーになったらしい」
原爆を作ったアメリカの物理学者ファインマンのことを、康太がどこかで聞いてきたようだ。
「“ご冗談でしょう、ファインマンさん”やろ?教室の本棚にあるで」「え?あんのん!」
さっそく康太が上下巻の2冊を見つけて来て、私も久しぶりに少し読んでみた。
その一節に、ファインマンがブラジルの大学へ教えに行った時のことが書かれている。
ブラジルの学生は真面目で勤勉であり、教科書はすべて暗記してしまう。
口頭試験での教授の質問に、すべての学生はよどみなく答えている。
『ははあ、それって慣性の法則のことを言っているな』聞いていたファインマンが質問してみた。
「で?その媒体を水ではなく、ガラスにしたら、どういうことが起こるんだい?
 どういうところでそれは見られるんだろう?」
その現象は水でもガラスでも同じことが起こり、日常で普通に見られるものだ。
「え?どこで見られるか・・・?い、いや、そういうことは教科書には書いてないし・・・」
すべての学生は公式こそ暗記しているが、「それが何のことか」は、まるで知らなかった。
「それを教育というのでしょうか?学生の努力は無駄になっています」
ファインマンは教育省にそう報告せざるを得なかった。それは現代の日本の教育でも同じことが行われている。
大学と違い小・中・高校では「とりあえず覚えておけ!」と言うことは多い。
詩や古典などはその時に意味がわからなくても、リズムや文章を暗記しておけば、
その意味は大人になってからわかるものも多い。
しかしあまりにも「つまりそれって、どういうこと?」が少なすぎるのだ。
だからどれほど公式を覚えても、類題を解いてもその意味がわからず、数学が出来なくなる。
私の授業には確かに「だからそれってどういうこと?」が多い。
それでも身に馴染ませるのは時間がかかるが、現高2のユウカ・ミオ・ミユなどはずいぶん良くなった。
その意味を捉えられるようになったから、ややこしいものを簡素化し、数式に抜き出せる。
ミオは勉強量の割には数学が苦手な中2の妹に「暗記じゃあかんで、意味をわからないと」
と言うらしいが、中2だとまだ無理だ。今のミオとは「見えているもの」がまるで違う。
言葉ではなく、じっくりと育ててやらなくてはならない。
新小6の5人は全員「算数は苦手」だという。最初は線対称の授業だ。
「みんな、対称と言う言葉は聞いたことがあるか?」「うん」「どういうことだ?」
「同じもの・・・というか・・・う~ん、よくわからん・・・」
「そうだな。よくわからんことに約束をつけてわかるものにしよう、というのが算数だ。
 だから算数なんて、本当は誰にでもわかる。お前達にもきっとわかる。
 いいか、対称と言うのは鏡に映すことだ。鏡を1本の線で表して、どう約束しようか?」
5人とも懸命に、どこか面白そうに、線対称の図に取り組んだ。
緊張の初回は、まあ、うまく行った方だ。
「つまりそれは・・・」理解の旅への最初の一歩だった。

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初授業

昨日はありがとうございました。そしてお疲れさまでした(;^_^

マホに感想を聞いたら「わかりやすかった!」と言ってました。
算数嫌いのマホなので どんな感想を持って帰るか心配だったんですがホッとしました(⌒-⌒; )

ユウカはマホに
「帰るとき挨拶したんか⁈」
マホ「したよ〜」
ユウカ「声が小さくて聞こえへんかったで!次はちゃんと大きい声で言いや!!」
と言ってました。(笑)ぷぷぷ

姉妹でお世話になります。どうぞよろしくお願いしま〜す!

Re: 初授業

ほんまですか?わかりやすかったって?よかったあ~~♪
この歳になると、幼い子の前に立つのはビビりますよ。
でも、まあ、うまくいったかな?頑張りますよ~~~♪
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河原

Author:河原
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