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頑固者

高2の娘達が帰り支度を急ぎながら「早く帰ってリーガルハイを見ないと」と言う。
そう言えば康太や真子もビデオに撮ってまで見てたな。
ちらっと見て、ふざけているだけで面白そうになかったけどな。
「あんなの面白いのか?」「めっちゃ面白いで」とミオが言う。ふ~ん、見てみようか。
どうやら「すべての人を幸せに」というガッキー演じる弁護士を、
「倍返し」の堺が演じる変態チックな弁護士が、今どきの世の中だと袋叩きにあいそうな、
「そんなの殴られて当たり前」的な言い回しでコテンパンにしているようだ。
とてもよかったのは伊藤四郎演ずる「アニメの王様」の話。
まるで宮崎駿のようにヒットアニメを連発するが、仕事に厳しく、
「ダメだ、描き直せ!へたくそ!やる気がないなら出て行け!」ばかりで、何人もの若者がやめている。
そのうちの一人がノイローゼになり、仕事も出来なくなり、謝罪と慰謝料を求めて訴訟した。
ガッキー弁護士は優しく伊藤に訴える。
「腰痛、白内障などの病気を抱えたあなたは、たくさんのスタッフを養うのに焦ってましたね?
 養うためにヒットを連発しなくてはならず、若者に厳しくされたんでしょう?
 なぜもっと優しく出来ないんですか?」
「俺もそうやって生きてきた。仕事を俺は、そういう風にしか出来ない」
「あなたはアニメの天才ともてはやされ、王様気分でスタッフと接してました。
 でも、厳しくしたのは才能のある若者だけでしょう?やめていったAもBも会社を興し、
 ヒット作を作るようになりました。このCさんにも才能があるから厳しくされましたね?
 そのことを彼に言うだけでいいんです。それだけで彼は救われるんです。
 言葉にしないとわかりません。どうぞ一言“才能がある”と、彼に言ってあげてください」
なんとまあ、胸糞悪くなるほどの甘さだが、ガッキーには似合っている。
アニメの王様は、つとCに近寄る。
「Cよ、俺はお前に才能があると思ったことは・・・一度もない!それは俺も同じだ。
 世間がどう言おうと、俺は必死に仕事をして、階段を踏みしめて上がってきただけだ。
 ふと振り返ると、ついて来れるやつが誰もいない。こんな才能のない俺を、誰も追い越せない。
 お前達“ゆとり世代”はいいな!何も働かなくても食えて、体力と時間を浪費できる。
 もったいない・・・なら、その体力と時間を俺にくれ!俺にはまだ、やりたいことがたくさんある。
 何もしようとしないお前の体力と時間を俺にくれたら、慰謝料もくれてやる。
 謝罪の言葉がほしいのなら、いくらでも言ってやる。ほしいか!?」
横で見ている真子に、思わず言った。
「これは俺だ。もう今の俺はこういう教師になりつつあるよ・・・」
Cは声を上げて泣き出し、紙に何かを描き始めた。
「いらね~よ!・・ち・ちくしょう・・・“ゆとり”なんて作って、
 俺達をこんなにしたのは、あんたたち大人じゃないか。
 ち・ちくしょう。なんとしても俺が王様になって、あんたを引きずりおろしてやる。
 それまで・・・引退しないでくださいよ!!」
描き上がった絵は、笑って肩を組む、自分と伊藤の姿だった。
ま、最後は出来過ぎだし、こんなにうまくいくわけもない・・・けれど・・・
教室のローンもほぼなくなり、これからはさほど金を稼ぐ必要もなくなった。
今の「表面だけ・たてまえだけ」の世の中や人にも、むかついている。
私はどんどん頑固者になろう。それで生徒が逃げ出すなら、それでいい。金はいらぬ。
それでCのように気付いてくれる若者が一人でも出るなら、それでいい。
元々私なんぞに人徳も名誉も金も才能も無縁のものだった。いまさらほしいとも思わない。
もう残り少なくなった教師人生を、自分の信じる方向にだけ、歩んでいこうと思っている。

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