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残念な引退 その3

「風立ちぬ」の作成スタッフは総勢300人。聞き流してしまうが、これはすごいことだ。
作成する3年間、300人を食わせなくてはならない。計算したことありますか?
仮に一人に月20万円の給料を渡すと、毎月6000万円。私なんかこれだけで気絶する。
年間で7億としても、3年で21億円・・・
なるほど、これだとすぐに映画の作製費って40億や50億になるはずだ。
ということは宮崎はその作品でそれ以上を稼がなくてはならない。
ものすごいプレッシャーだよね。私なんかやってみようとも思わないね。
今の時代、年収3~400万円の人が8割ほどなんでしょ?私も含めて。
500万も稼げば十分に暮らして行けるが、それでも10年で5000万円。
40年務め終えてようやく2億円だ。宮崎や私達おじさんの、それが普通の感覚だ。
それが3年で21億円・・・宮崎もそういうこと自体に嫌気がさしたと思う。
だってそれは明らかにもう、普通の生活じゃあないもの。
私達おじさんは普通の生活がいいんだ。のんきに暮らしていたいんだ。
「これ、差し入れのパン。足りるかどうかは知らないけど・・フフフ・・・」
パンの入った袋を宮崎がスタッフに渡したが、若い人との付き合い方にも変化があるだろう。
なかなか難しいのですよ、これが。
30年前の生徒は私にとって弟や妹だった。
いつの間にかそれが子供の世代となり、今の小学生なんか、もう孫の感覚だ。
何しろ「じいじい」にはなったことがないから、その感覚がよくわからない。
じいじいが孫にいつまでも「バカもん!」なんて、怒鳴っていていいのだろうか?
理想的な関係になっていることもある。卓球でだ。
中1のカンナや小5のカリンは孫みたいなものだが、週に1度卓球で遊んでくれている。
私にすれば遊んでもらっているのだが、人が見ればそのレベルの高さに驚くだろう。
週に1度の2時間の練習で「全国レベル」に到達することなど、普通はあり得ない。
ところが二人はそのレベルに到達している。
社会人リーグの男子選手が10歳の女の子に負かされそうになって死に物狂いになるほどだ。
レベルが高くて激しい練習も「そんなもの」と、まったく苦にしない。
それよりも、ボールが自在に操れるようになることが楽しくて楽しくて仕方がない。
遅れてやって来た、同じく小5のサキも、最近ようやく似たような練習が出来るようになり、
息はゼイゼイ、足はプルプルとなるのに笑っている。そういう練習が出来ること自体が嬉しいのだ。
4年前は私は「おっちゃん」だったのに、いつの間にかカンナもカリンも「先生」と呼ぶようになった。
宮崎の仕事は「作品」として終了するが、教育・子育てには完成も終わりもない。
宮崎の「作品を残す」苦しさもあり、私は「終わりのない」苦しさがある。
私の仕事には作品としての結果はなく、信頼関係を築けるかだけが勝負だ。
生徒がひたすら私に「ついてくる」だけでは、それはおかしい。
私が送るボールを必死に打っていたカリンが、初心者の相手をし、笑っている。
相手がだれであろうと、卓球そのものを楽しんでいる。しかも、レベルは高い。
そういう関係を築けられれば、まだ10年教室を続けられるが・・・大変だ。
大変さの息抜きとして、癒しとして宮崎作品があったのに、その人が引退してしまう。
誠に残念だが、それも時の流れとして、仕方のないことなのだろうか・・・・・・

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