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残念な引退 その1

宮崎駿が正式に引退を発表した。残念だが、何となくその気持ちがわかってしまう歳になった。
「千と千尋の神隠し」や「もののけ姫」の後でも、内々には「俺、もうやめる」と言っていたようだ。
けれど今度は映画祭の席で正式に発表してしまったからねえ・・・本当にやめるのだろう。
宮崎作品には必ずと言っていいほど「生と死について」が描かれている。
そのスタートになっているのは初期の頃に発表した唯一の漫画本「風の谷のナウシカ」に描かれている。
7冊を完結させるのに10年ほどの期間をかけたらしく、その内容はほとんど哲学だ。
生と死を「定義」し「制御」しようとするコンピュータに対しナウシカは最後に、
「生命とは闇の中の一瞬の輝きだ」と言い、制御など出来ないものだと、
自分の力だけで勝手に輝くものだと反論している。それはすべての作品を貫いていると思う。
もののけ姫も、千と千尋の神隠しも、天空の城ラピュタにも、隣のトトロですら、そうだ。
「生きている不思議、死んでゆく不思議、風も花も街も、皆同じ」
宮崎がこの歌に感動し、この歌のために千と千尋の神隠しを作ったと聞いた。
宮崎はもう「すべてを出し尽くした」と感じているのだと思う。「もう、これ以上発表するものがない」と・・・
まだ見知らぬものがたくさんあれば、それを創作する気にもなると思う。
いや、それは思い上がりで、見知らぬものなどたくさんあるに違いない。それもわかっている。
けれど若い頃に比べて、物事の見えなくていい部分まで見えてしまうようになった。
確か宮崎の言葉だったか。
「20代の頃に20ほどのことを考えてたとすると、今では2000ほどのことを考えねばならない」
物事が見えてくるほどに、必然的に考えることも増えてしまう。そのことにくたびれてしまうのだ。
体力があれば跳ね返せるが、歳を取るほどに体力は落ちてくる。体力が落ちると、気力も萎えてくる。
考えても見なかったそういうことまでが見えてくる焦り、疲労感・・・
「もう、やめよう」
そんな宮崎の気持ちが・・・私にもわかる歳になってしまった。

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