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強さ

キノシタが帰って来た。女だてらに高校の数学教師をしている。もう30歳を越えた。
夏休みだが、何らかの研修が市内であるらしく、ちょうど結婚1周年でもあるし、
色々な用事をひとまとめにして帰って来たのだ。
今頃は和歌山で旦那とのんびり温泉に入っているかもしれない。
高校現場の様子を聞いていると「今の教師って、働くこと自体が試練だ」と思う。
そりゃあ何かと大変で、神経がくたびれ、体調を崩し、半年ほど休んでいた。
4月から復帰したものの仕事に追われ、真子の病気のことを知ったのは7月だった。
慌てて電話をくれて、今回「久美浜メロン」を真子にと持ってきてくれた。
「ブログを読んでびっくりしたけど、読み返すほどに先生や家族の強さがわかる」
「強さ?何も強くないよ。おろおろしてただけだ。病気が恐ろしくて、よく泣いたし・・」
「そんなものすごい状況の中で、自分達が“やるべきこと”を見つけて、
 それを確実に実行しているじゃないですか。それが人間としての強さだと思う。
 私は教育現場で、まだそれほどの強さがない・・・」
キノシタのやっていることを聞けば「モンスターみたいな女だ」と思うくらいに強いけど、
現場を見て動く・・・ようなところは昔から確かに私にはあった。
学生の頃、コーチに行った「超お譲ちゃん」女子高校の卓球部。
練習は40分の練習を週3回。あらゆるクラブが対外試合で勝ったことなし・・・
先輩が依頼を受けたのだが「そんなん、俺がコーチしても無駄」と、私に回って来たのだ。
そりゃあ1流のアスリートは嫌がりますよ。けれど3流の私には何でもなかった。
『この環境で、この練習時間で、このお譲ちゃん達に何を学ばせればいいか」
卓球は学ぶための「道具」にすぎなかった。私は昔からそうだ。
アスリートにとってスポーツは「勝つことがすべて」なのだが、私には学びの道具だった。
だから「あれがほしい、これが足りない」と思ったことがない。
どんなものでも学びの材料にはなるし、そこにあるもので学べばいい。
2年後のインターハイ予選で団体は5回戦まで進み、関係者を驚かせた。
さらにレギュラー達は筑波大、慶応義塾など、有名大学に進学していった。
スポーツに打ち込み、1流大学に進学もするとは「あり得ないこと」だと校長も驚き、
「どういう魔法を使ったのか、説明せよ」と、私を呼び出したものだ。
私には結果は意味がなかった。与えられた環境の中で懸命に学ぶことに意味があった。
真子の癌という大病を目の前にし、度肝を抜かれ、恐怖に打ちのめされる中でも、それは同じだった。
「どうしよう、どうしよう・・・」そればかりを考える日々。
キノシタが言うように、それが強さだとは、私自身にはわからない。
逆に、恐怖におびえる自分の弱さを感じるばかりだった。それもまた、昔から同じだ。
どうやら真子は「第4クール」まで行くのは確実になった。場合によれば「第5」もありうる。
抗癌剤があまりに辛く、リハビリや学校のことを考えると、真子は
「何とか第3クールで終了に」と医師に訴えたが、「完治」が優先するのは仕方がない。
疲労が蓄積されてずいぶんへばっているが、昨日、中学時代の卓球部の仲間が見舞いに来てくれて、
たくさんお喋りしたら「とても身体が楽になった」という。
今日「週1の点滴」をして、様子を見て、木曜にはまた仮退院だろう。
第4クールだと8月31日で終了だが、せめて第5へ行かないことを願うしかない。
見舞いに来てくれたナゴ・リサコ・ユカの妹達、マイコ・カンナは京都大会の真っ最中。
昨日の団体戦ではラストでカンナが相手の第2エースを倒すなど、
何度か「奇跡的な勝利」をあげ、見事に!京都大会優勝!!すごいねえ~!夢みたいだねえ~!!
これで京都1位として近畿大会へ進み、そこでも勝ち進めば全国大会だ。
まだ2年と1年だけのチームなのに、前代未聞の出来事だろう。
皆頑張って、結果まで出している。
それを励みに真子も、早く病を克服し、復帰させたいものだ。

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