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「受からせ屋」ではなくて

授業前にチャイムが鳴った。母親らしき人が立っている。
入塾の話が聞きたいという。そりゃ、どうぞ。
「パンフレット、ありますか?」 はいはい、ありますよ。
「やはり、毎日通わなくてはなりませんか?」 このお母さん、何を言っているのだろう?
「いいえ、うちは1教科は週に1回ですよ」
「高3なんですが、ようやくクラブが終わって、受験勉強しようかと」
「高3?ごめんなさい、高3は取りません。受験勉強はよその塾がいいでしょう」
「ここがいいと、人に聞いたのですが・・・」
「“良さ”の意味が違います。うちは受験指導なんかしない塾なんです」
ちょうどフリースペースが高校生でいっぱいだった。
「ああやって自分で勉強できるように、時間をかけて懸命に育てる塾なんです」
お引き取りいただいたが、その意味は何もわかっていないだろう。
クラブなんて・・・ショウもタクトもトモトも、まだ真っ最中ですよ。
その忙しさの中で、どう時間を作り、どう工夫するかだ。
それが出来ているなら、もう、うちは必要ないし、出来ていないなら、うちに来ても意味はない。

真子は看護師に「右手に針が刺さってるから、勉強できないなあ」というと、
そのことを主治医に伝えたらしい。女医さんで、中学生の息子がいるようだ。
「息子に聞かせたい!・・・よし!私が左手に入れる!」
真子の腕は血管が細く、しかも奥まっているようだ。医師・看護師泣かせで、8回失敗されたこともある。
女医先生、気合を入れてやってきて、なんと、一発で入れて見せた。
これで真子は少しでも自分で勉強できる。点滴で時々気分が悪くなるけれど。
これがうちの生徒だ。そうやって少しずつ賢くなっていく。育っていく。
しかし世間は、そういうことはすっかりと、忘れているようだ。
真子はまだまだ元気です。髪の毛はずいぶん抜けてはきたけれど。

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