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障害と向き合う その1

1ヶ月もベトナムで何をしてきたのか、ユウカに聞いてみた。
脳障害を持った子供たちの教育支援だという。・・・そりゃあ大変だ。何も出来なかっただろう?
その通り、何も出来なかったらしい。
様々な年齢の障害児が30人ほど集められており、行ってみると一人の先生から
簡単な算数のプリントを渡され「教えてくれ」と言われた。
言葉がわからない。障害と言ってもどの程度で、どこがおかしいのかもわからない。
今の私が行けば「教育プラン」くらいは作って、教材も作れたかもしれない。
けれど19歳のユウカ達には、何も出来ない1ヶ月が普通のことだ。
例えば「0.38+2.8」を教えろと言われて、学生達の方が
「それがなぜわからないのか」がわからない。普通に計算して来たことだから。
けれどよく考えてみると、小数や分数って「非常に抽象化された約束」なんだ。
物を半分にすると「2分の1」だけど、そのこと自体がわからない。
1つのパンを半分にしても、30個ある寿司を15個ずつにしても2分の1。
そういう「約束」がうまく理解できない。それを理解させるのって、大変ですよ。
何しろこっちは「わかった」つもりでいるから、「なぜわからないのか」がわからない。
そんなことは意識したこともないから、何をどうしていいかもわからない。
自分が教わってきた方法は通用しないから、1から教育方針を考え、組み立てなくてはならない。
そういう「部分」は個人差が激しく、「前例」の記録があっても参考程度にしかならない。
「その子」を見つめて、その子用の教材を工夫し、その子なりの教育をしなくてはならない。
しかも、何とか考えついた教材や教育も、ことごとくが失敗する。
だからとても1ヶ月では出来ることではなく、年単位の時間がかかる。
それはこの教室で、私が30年近くも見続け、今も取り組んでいる教育そのものだ。

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