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シュンスケとミサトが図形をにらみつけ、定規で線を引いていく。
線対称の対称軸を見つけていくのだ。二人には、まだ難しい。
長さや角度を答える問題は、黒板に答えを書く。
「さあ、黒板に書こう」 そう言うとミサトが「ウフフ」と笑った。
そう、子供って黒板や壁に何かを書くことが大好きだ。
優しい空気の中で授業という初めての時が流れ始めた。少しだけほっとする。
しかしより大きなプレッシャーも感じていた。
ひょっとするとこの二人とは7年間も共に歩まなくてはならない。育てなくてはならない。
点取りに縛られ過ぎることなく、正しく教科の扱いに触れさせ、大人へと育てることが出来るだろうか。
時間的な距離があり過ぎて、まだ想像もつかない。懸命に育てなくてはならないと思うだけだ。
二人が帰った後、一人の母親が二人の息子を連れてやって来た。
兄の方は新中1の入塾希望で、見学にやって来たのだ。新中1はもう、5人も断っている。
母は教室のホームページを見ているらしく、何度もメールをくださった。
進学塾ではないこと。子供を大人に育てたいこと。人生を支えるものを創りたいこと・・・
そういうことを伝えた。
進学塾ではないけれど、通過点の入試では「うちの子」を、負けさせる気がないことも・・・
断った5人は、そういうことを聞くことはなかった。
親子そろって見た授業は数Ⅲの授業。
カンタロー・サチエ・メイミ・トモトが解く「合成関数・三角関数の微分」・・・わかるわけがない。
フリースペースではミヤビやタクト・ダイスケ達高2が試験勉強をしている。
二階の英語教室では同級生の新中1が授業を受けている。
理科教室にはモトイ一人が陣取って後期入試の準備をしている。
そういう雰囲気が気に入ったのか、「ぜひ今、入塾したい」とのこと。
そうして「最後の一人」ケイユウが、今週から通ってくることになった。
断った人たちとの違いは何だろう?
まだ幼い子を引き受けるのはとてつもない責任と、恐怖と、不安を引き受けるということだ。
「お任せください、きっちりとサポートします」などと、軽々に言えるものではない。
ここに学ぶ生徒らを見て、お母さんは、そういう私の想いを感じ取ってくださったのだろう。
これはもう「縁があった」としか言いようがない。
人生に無関係に「受験のサポート」がほしいだけなら、そういう塾へ行くがいい。
そもそもなんで塾なんだ?サポートだけなら学校で十分だ。巷の塾などいらない。
シュンスケ・ミサト・ケイユウ。
新たに加わった3人とも、見果てぬ未来へ、共に歩いていくことにしよう。

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Re: タイトルなし

迷う時間も惜しいが、ま、先は長い。
ゆっくり休め。

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