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電脳

将棋のコンピュータソフトに若手・現役のプロ棋士5人が本気で挑むことになった。
将棋ソフトは多くのデータをインプットされ、手の価値を数値評価し、次の一手を決める。
以前はそれほど強くもなく、引退した老棋士が「ご愛嬌」で相手する程度だった。
しかし米長元名人が本気で挑み敗れたことから、若手棋士が本気になったのだろう。
「練習試合」ではプロ棋士が2勝3敗と負け越し。ソフトの発展はすさまじい。
さて、本番の「電脳戦」はどうなるのだろう?
コンピュータソフトの波は塾産業にも覆いかぶさってきている。
もうすっかり顔なじみになった出版社の営業マンがやって来て、
「・・せ、先生はこういうの・・・興味がないと思うのですが・・・」
と、1枚のパンフレットを差し出した。「コンピュータ授業ソフト」とある。
その会社の「新中学生問題集」は「無駄なほどに問題数が多い」のが特徴で、
問題をこちらが選べることから、私は昔から愛用している。
しかし最近ほかのメーカーの「見本」も届くが、明らかに真似をされている。
同じような内容で、ちょっと安く・・・で、新中問は苦戦を強いられることになった。
大手も個人も、京都中の塾を回っている彼が言われるのが、
「“今でしょ”みたいなコンピュータソフト、お宅にはないの?」だ。
「サテライト授業」・・・今は大流行りだ。
パソコンを置いた机を板で仕切った個室(ブース)にし、好きな時間にやって来て、
素晴らしい講師の授業を好きなだけ見るだけで、とても賢くしてもらえる・・・
だってそれは「最高の講師」の「最高の授業」なのだから・・・
「でもそれって、教育を勘違いしてないか?」
私がそう言うと、営業マンは「やはり・・やられた」という顔をした。
素晴らしい解説と授業・・・それも必要なものだが、教育における割合は小さなものだ。
せいぜい1割程度。あとの9割は「判断力・修正力・行動力」だ。
どれほど素晴らしい解説であろうと、生徒はたいてい勘違いをしますよ。
レベルを上げた解説なら、ほとんどの生徒は聞いてもわからないし、読むことも出来ない。
生徒の様子を見て、どこまで理解し、どこを勘違いしているのかを判断し、修正する。
少しずつ理解が進むのを、じっと見守る。それが「教師」の大部分の仕事だ。
「お前、何やってんだ?そうじゃないだろ?話くらいちゃんと聞け!いいか、これはだな・・・」
私が毎日、多くの生徒にやっていることだ。パソコンでは、それは出来ない。
せいぜいビデオの内容を覚える「暗記合戦」となり、最低点で「資格」が取れるだけでいい。
残念ながら、世間が教育を「そういうもの」と思い、必要としている。
しかも・・・生徒の様子を見て「判断できる」講師など、塾にはいないし、確保も出来ない。
教師に怒鳴られて「修正する」なんて、教師にも生徒にも「うざい」だけだ。
それなら怒鳴りもしないビデオの「今でしょ」を暗記する方がいい・・・・
そういう世の中になっているから、出版社もビデオソフトを作らざるを得ないのだ。
けれど・・・教育の本質は、「うざさ」の中にある。それを取ってしまえば、それはもう教育ではない。
「教育の本質を考え、実行されている塾は・・・京都中で先生しかいませんよ・・・。
 すべての塾が“それなんぼ?利益率はどれくらい?”と、お金の話しかしない。
 教育の話なんて・・・どの塾長も興味はありませんよ・・・・・・」
辛そうに、営業マンは下を向いた。
「電脳ソフト」が通用するのは、暗記することがメインの中学までだ。それも、出来る生徒だけに。
昨日の公立高校の発表。
「特色選抜」の5人は全員合格し、「適性検査」の2人は落とされた。
『おのれ!電脳に負かされたかあ!』と、負かされたことには悔しいが、
その2人とも「そこじゃない高校の方がいい」と、私は以前から思っていた。
高校なら、どこへ進もうが、人生にはほとんど影響などない。そういう「判断」だ。
人生にかなり影響してくる大学では、同志社と立命館に3人が合格している。
しかし「そりゃ、合格はしましたけど・・・」と、3人とも素っ気ない。行く気がない。
世間では「ブランド大学」だそうで、どの塾でも大宣伝するのだろう。
けれどうちでは「行った大学」しか発表しないので、その大学名は発表されない。
それもまた、私の「教育判断」だ。確かに、うちにしかないのかもしれない・・・

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