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結婚式

7月28日・土曜日、市役所裏の「フォーチュン・ガーデン」でアキコの結婚式が行われた。
午前中に2組も来客があり、焦りながら家に帰り、礼服を着て地下鉄に飛び乗る。
礼服は基本「冬物」で、36度の気温の中、上着はバッグの中だ。
うまい具合に受付10分前の12時20分に着いた。すでにたくさんの客が待っている。
1時に2階の礼拝堂へ入ると、にこやかな顔の神父が立っていた。
一同が着席するとすぐに扉が開き、小さな女の子に先導されて男が入って来た。
初めて見る。「誠実を絵に描いた」ような男だが、ははあ、これが「旦那」だな。
新郎が神父の前に立つともう一度扉が開き、真っ白なウエディングドレスのアキコが現れた。
ものすごく照れ臭そうだが、見ているこっちがもっと照れ臭いのは、なぜだろう?
隣で手を握っている小柄な男は父親か?こちらも初めて見る。
母親にベールをおろしてもらい、父に手を引いてもらい、新郎に歩み寄っていく。
父は・・・すでに泣いている。よろよろと新郎のもとへ行き、そっとアキコの手を引き渡した。
ダメだ、こういうシーンは・・・私まで泣きそうになる・・・・
神父の「祝福」は短いものだったが、とても心温まるものだった。
皆に見守られ、とてもいい結婚式だった。
式が終わるとすぐに披露宴だ。ぞろぞろと歩いて別館へ移動する。
あまり広くない会場にぎっしりと人が入る。
私の席には新郎・神父それぞれの高校の校長先生と、講師時代にアキコがお世話になった先生、
それぞれの同僚の若い教師達もいた。
海洋高校の校長先生は「131回目の結婚式です」と言う。す、すごい!
久美浜高校の校長先生は今年赴任されたばかりで、アキコのことをよく知らない。
元鳥羽高校の先生と私で盛んにアピールしておいた。今は別の高校の副校長の先生が言う。
「数学の教師が入院してしまって、代わりの教師がいない。講師登録にも一人もいないんです。
 12月の終わり、年の暮れに心当たりにすべて電話をかけまくり、ようやくアキコさんにたどりついた。
 ある塾の講師(うちね♪)をしておられたのを、強引に引き抜いたんです。
 正直・・・どんな人かと、不安はありました。定時制の数学の教師をさせなくてはならない。
 前任の教師も精神的にまいってしまい、入院したくらいです。並の人間に出来るものではない。
 そんな仕事を、小さな塾の講師などに出来るものかと・・・
 けれど背に腹は代えられなかった。もうすぐ冬休みは終わってしまう・・・
 そこにやって来たのが小柄なアキコさんです。この子で大丈夫なのか?
 ところが・・・低学力の生徒や“やんちゃ”な生徒まで、見事に指導する。
 あまりに見事なので翌年度には全日制の“出来る”生徒を見させたら、こちらも見事に指導する。
 私はもう、びっくりした。こんな人材がいるんだと・・・・
 教員採用試験に合格したら、どこかよその高校へ行ってしまう。正直、受かってほしくなかった。
 それを一番強く感じていたのは生徒で、アキコさんが合格し、去るときは、
 “アキコ先生がおらんかったら、誰が俺らみたいなアホに、数学教えてくれるねん!”と、
 何人もの生徒が泣いてうったえていましたよ・・・・・」
その話自体はほとんど知られていなくても、そんなアキコの人柄は、披露宴会場の誰もが知っている。
そんな同僚たちや旧友からも、手短だが温かな祝福の言葉が贈られた。
妹二人がビールを注ぎに来てくれた。マユコはこの5月にすでに結婚し、貫禄が漂っている。
康太と同級のユリコは阪大に通うのが厳しいのか「5キロも痩せた」らしい。
懐かしい顔も見られ、温かな披露宴に、すっかり酔いが回ってしまっていた。

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