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入学式 ②

総長は静かに語りかけ始めた。
入学後の心得などいくつかを語られたが、印象に強いのは「絶望」についてだった。
「君たちに一つ質問します。君達は絶望したことがありますか?
 これはかつての名ジャーナリストが若者によく聞いていた質問です。
 絶望とは“人が、人足り得て”初めて気づく感情です。
 ですから子供や動物は絶望しないのです」
それはほしいものが手に入らないとか、大学に落ちたなどとは次元の違った感情だ。
一つの問題を解決しようとするときに、自分の無能・非力を思い知る。
それを嘆き悲しみ、絶望するのは、自分がそれを理解できるまでに成長した証なのだと。
自分が人として独立し始める、人として足りてくる兆しなのだと。
自分の小ささを知れば、ひとの話を聞くようになるし、だからどうしようかと工夫もし始める。
それはノーベル賞を取った学者でも同じで、すべて絶望の淵から立ち上がって来ている。
それをなくしてはまだ人足り得ておらず、一人前ではないと、そのジャーナリストは考えたのだろう。
その質問に、私ならすぐに答えることが出来る。
「塾を始めて丸26年。自分の無能と非力を思い知る毎日でした。
 今もその日々は続いています。おかげで、少しは人らしく生きています」

総長の話は20分ほどで終わり、入学式自体も30分で終わった。
飾りつけは後ろに立てた古びた金屏風ただ一つ。
もてなしは学生オーケストラの演奏1曲だけ。
しかし・・・しかし、何と豊かで素晴らしい入学式だったことだろう。
「長い受験勉強は大変だったでしょう。御苦労さま、合格おめでとう。さあ、共に学ぼう!」
その心だけをきちんと伝えようとする入学式。そのシンプルさが私は大好きだ。
康太も心に残る感動の入学式だったという。
「真子は高校入学前にこの入学式を見た。それは幸せだ。俺もその時期にこれを見たかった」
私はその日の高1・高2の授業で全員に言った。
「お前達皆、京大へ行け!そして、あの入学式の感動を味わうんだ!」

今朝は康太は同じスーツを着、真子は初めて嵯峨野高校の制服を着、
私も妻も晴れ着となり、ジャパンフォトで記念写真を撮ってもらった。
ゴリママさんがポーズを決めてくれて、何枚も写真を撮ってくれた。
それは紛れもなく、「永遠の1枚」となることだろう。

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おめでとうございます!

先程はありがとうございました!

仲のいい家族を撮らせていただいて うれしかったです~!

総長さんのお話も いいですね~!松本先生の人柄が出てますね。あったか~い方ですので、(仕事には厳しいらしいけど)よかったです~。

お写真は明日 うちのブログにUPさせていただきますので、楽しみにお待ちください~!!


とにかく、おめでとう~~!!!

Re: おめでとうございます!

いい写真を、ありがとう。
・・・・・うれしい!!
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