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高度な“山感”

私は見る余裕もなかったのだが、今年の京大は数学だけではなく物理も難しかったようだ。
大問3つがそれぞれに難しかったのだが、特に3番。
康太が夕方教室に届け物を持ってきてくれて、「解答速報を見たい」と言いだした。
まあ、ざっと言えば、
「宇宙空間でエレベーターを走らせると、波動や時間はどういう影響を受けるか。
 さらに地球の周りを回転させると、どうなるか?」
みたいな問題だ。
最初に見たこともない「近似式」が書かれていて、「必要なら使え」となっている。
・・・・京大は時々こういうことをやる。
宇宙空間での話なんて教科書にもないし、さらに、見たこともない式を「利用せよ」と言うのだ。
「その式を利用すれば数式が簡素になり、高校での知識をベースに、お前はどこまで考えられる?」
みたいな問題をたまに出す。私が見たって頭が痛くなる。
物理を先に始めた康太も、この3番でぱたりと止まってしまった。
問題の意味も、近似式をどう使うのかもわからない。
そこで康太はいったん物理をあきらめ、化学の問題を解くことにした。
模試の経験では理科は、数学よりも時間に追われるからだ。
ところが化学は思ったより易しく、すぐに解き終わり、時間にも気持にも余裕が生まれた。
もう一度物理に戻り、つぶさに読んでみる。どうしても3つ目の小問の式がわからない。
それが処理できないと、以下に続くたくさんの問題を埋められない・・・
康太は続く問題を先に読んでみた。
『・・・なるほど・・最後には引力の、こういうことにまとめさせるんだ・・・・
 と言うことは、ここではこの3つの文字で、こういう形をしてないと、
 最後にこの形にはまとまらない・・・・』
近似式の意味はさっぱりわからない。なぜそうまとまるのかもわからない。
けれど、先でこうなるには、この形で行くしかない・・・
康太は山感で式を設定した。『え~い、これで行っちまえ』。まったくの「ばくち」だ。
ところが・・・京大はたまにそういう問題を出すことで、
康太がやった「そういうこと」を、山感やばくちを期待しているのだ。
「仮説」を立てて先に進むことは、研究では普通にあることだが、高校生には難しい。
しかも、ただの山感では何もできない。
先を見越して、結論がこうなるのなら・・・基礎力が相当に高くなければ出来ない山感。
最近の康太は数学でもそういうことをやるようになっていた。
X、Y、Zの3つの文字がある式の最小値・・・最後の答えが出ないとき、
「こういう問題は、だいたい、3つの文字が同じ数字になるものだから・・・」
そうやって強引に答えを出してしまうのが「最後の手段」なのだ。
受験を終えた直後から康太は、物理の3番が気がかりだった。何しろ山感で進んだのだから。
間違っていたら大問3は全部が「パア」だ。
解答解説を見ると・・・全部が合っていた!
「よかった!合ってるわ!こりゃあ、絶対に合格やな」
まったく、とんでもない奴だ。「山感を試す問題」にまで、答えられるようになっていた。

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