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静けさの中で

日曜日の朝9時に、高1のユウキがやって来た。
期末試験も終わり、夏休みを待つばかりだと言うのに、英語の予習・復習をやると言う。
いいことだ。高1から高2にかけての英語は「文章の暗記量」を増やすのが一番だ。
もちろん文章構造(文法)の理解も大切だが、基礎語彙力を増やさないと話にならない。
しかしそれにはものすごく根気がいる。根気・・・それ“だけ”がユウキの武器だ。
高1のクラスはほぼ全員がそうだが、「新しいルール」になじむのは遅い。
「鈍くさい」子ばかりなのだ。
「モトイやヒロコもいるのに?小学校から評判の“出来る子”やで?」
そうだけど、その「実態」を知る人など誰もいないと思う。
モトイもヒロコも、新たなルールにはすごく戸惑う。
理解も並みより遅いくらいで、考え方や計算ミスも驚くほど多い。
だからこの子達が「それを理解」するのには時間がかかる。
しかも「一方向」だけの見せ方ではだめで、「全体像」を見て、ようやく腑に落ちるところがある。
単元を進めながら、実は何度も復習し、様々な方向から見せるように配慮してやらなくてはならない。
そうするうちにようやく、自分なりの方法で整理が進み、全体像を腑に落とすのだ。
自分なりに整理する・理解していく・腑に落とす・・・は、誰もが出来るわけではない。
たいていは「形だけ覚えて」通り過ぎようとするものだ。
ヒロコもモトイも「一般が言う賢さ」は並みなのだが、腑に落とす能力が優れている。
まるで地面の水たまりが土に吸収されるかのように腑に落として行く。
ヒロコなど「大地の才」のユカの再来かのようだ。
この才は育てるのが難しい。
公式暗記やパターン暗記では腑に落ちないため、戸惑うばかりで壊れてしまう。
「ある大きさ」まで育ってしまえばあとは自力でいいが、そこまでは慎重に育てねばならない。

コウヘイは唯一理解が速いが、整理の仕方にでたらめなところがある。
一つの問題ごとに修正してやり、整理の方法を育てなくてはならない。
ナナセはコウヘイ寄りだが、理解の深さも整理の仕方も物足りなかったが、ここへきて「数学の面白さ」に触れ始めた。
「面白い」のだから、理解も整理も進む。まだ「実力」は小さいため揺れるところはあるが、
これからいくらでも鍛えられるであろう。
ミズカは今から基礎を作っていかねばならないが、ユウキ・シュウヘイ・アユム・ミオ・トモコ・レオは、
基礎は出来ているとはいえ、武器となるのは「愚直さと根気」だ。
放っておいたらすぐに勘違いする。どう整理していいのかもわからなくなる。
しかし私と一緒に汗をかきながら、粘り強く取り組むことが出来る。
これを進めて行けばどこかで「自分の型」を創り上げられるだろう。
それまで、私も粘ってやらねばならない。

ユウキのすぐ後に、姉・妹のアオイとルイもやって来た。2人はまだ試験中だ。
少しずつ離れて、3人とも黙々と勉強する。教室は静まり返っている。
アオイは高1の時に教室の曜日とクラブがぶつかって泣く泣く辞めてしまったが、
許可すると喜んでフリースペースで勉強するようになった。
フランス語の勉強をしているようだ。

静かな教室で、鉛筆の音と、ページをめくる音だけが、かすかにする。
そうやって少しずつ、知識を腑に落として行くがいい。
そういう姿を眺めるのが、私は好きだ。子供は、そうやって育つのだから。

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