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COTO

「ドクター・コトー」と言えば、私も大好きなドラマだ。
主題歌の「銀の龍の背に乗って」も素敵な歌だが、コトー先生が自転車に乗っているときなどに流れる、
ほのぼのとした音楽もいい。昨日、その音楽に名前があるのを発見した。
良俣 良と言う人の作品で「COTO」というタイトルだ。
・・・いい・・すごくいい。
暖かな日差しのような、緩やかな風のような、昔懐かしい家のような、
不器用だけどやれることを懸命にやる人のような・・・ホッとして涙が出てきそうな・・・
教室で何度も聞き、家で寝る前にも繰り返し聴いた。ささくれ立つ心を癒してくれる。

昨日は高3の授業は休みで、中3の授業だけ。国語の宿題を出してあった。
皆が解答用紙を提出する。カイラは遅刻のようだ。
「どうせやらないなら、問題も渡さない」 先週、厳しく言ってある。
女子の解答用紙は皺ひとつついておらず、新品のままだ。
字そのものは下手でも、丁寧に見やすく書かれている。
漢字は「わからなかったら、調べるように」と言ってあるから、きちんと書かれている。
こんなに難しい文章なのに、真子・チルリ・ミサキは素晴らしく読み取り、申し分ない。
アヤカ・ナゴ・メイはやや苦手なようだが、懸命さは解答ににじみ出ている。申し分ない。
ソウタの答案も見違えるほどきれいになっており、まだ正答数は少ないけれど、
漢字はすべて調べてあるし、古文の「兼好法師」と「清少納言」まで調べて来ていた。
アキヒロの答案用紙は「手で100回も揉んだら」そうなるかのようで、
ところどころ破れているところはセロテープで這ってある。1週間前に渡したものだ。
カイラが遅れてやって来た。答案は提出した。
五つある漢字は一つも書かれておらず、「ア・イ・ウ・・・」の選択欄以外は何も書かれていない。
家を出ようとするときに宿題を発見し、そこまでしか解答用紙を「汚せ」なかったのだろう。
数学の宿題もやっておらず、「復習問題」は一つも出来なかった。

「底辺校と言われる高校は、さながら動物園のよう。
 自由という名目のもと、大人も子供も好き勝手なことをやり、あきれ果ててしまいそうです。
 公教育は、教育の場ではなく、保護地域になってしまっています」
現場で働くキノシタからの報告だ。・・・なに、どこでもそうさ・・・・・
「心地よさ」を売ろうとする商品や文章ばかりが増え、ますます人は「心地よさ」を求めている。
「境界線はどこなのか?」などと考えるわけもなく、それは教育の場へも持ち込まれた。
「俺の心地よさを妨害する権利が、教師のあんたにあるのか?
 俺には心地よさを楽しむ権利と自由がある。だから授業中でも音楽を聴くし、
 友達のところへ歩いて行って話もする。楽しむ自由は、俺の権利だよね?
 ついでにこんな俺でも100点が取れるテスト問題にしてよね。
 テストが100点だと気持ちいいんだあ、俺。で、大学は京大に入れてよね。
 京大ってかっこいいしね。行きたいんだあ、俺。
 生徒の願いを叶えるのが、教師であるあんたの仕事だろ?」
ものすごい誇張に聞こえますか?誰でもいい、中学や高校の教師に聞いてみてください。
「要は・・・そういうことです・・・」と答えてくれるでしょう。
親も子供も、いや、世の中全体が教科も、教育のことも勘違いしている。

「アキヒロ、カイラ。次回もこの答案なら、俺は即座に破り捨てて、二度と問題も渡さない。
 今お前たちは2次方程式をやってるけど、家で親に聞いてみな。
 『この前2次方程式を解いたのはいつ?』ってな。
 たぶん高校を卒業して以来、一度も解いたことはないはずだ。
 そんなものをなぜ、お前たちは今やらないといけないのかな?
 点数を上げて、高校へ入るため?・・・違う!そうじゃない!
 どの物事にもある『秘密の扉』の開け方の練習をするためだ。
 正面から取り組むことは誰にとっても難しいから、そのことを練習するためだ!
 それが出来ないと、ちゃんと生きていけなくなるんだよ!友達もいなくなるんだよ!
 これから先に、アキヒロのボロボロの解答用紙やカイラの走り書きを見て、
 怒るのは俺だけじゃあないぜ。大人ならだれでも怒る。
 ソウタや女の子たちの答案と自分のを比べてみな。ソウタの方が間違いは多いけれど、
 丁寧に扱ってるのがわかるだろ?きれいな答案だろ?それが『学力』だ。
 アキヒロは点数は取れるかもしれないが、そのボロボロの答案は『学力のなさ』を証明してるんだ。
 お前達二人はものも知らないガキで、とんでもなくバカだ。
 今のままだと将来『これをやろう』と言う時に身動きできないんだよ。
 漫画の中じゃあ何でも出来るけど、現実じゃあそうはならない。
 もうそういうことが分からないといけない年齢に、お前たちはなってしまってるんだ」

教科を学ぶとは、知識そのものも大切だが、「どのように行動するか」の方が数段大切だ。
面倒くささやしんどさも学ばねばならない。
そういうものなのに「心地よさ」だけを求めるから、学校は動物園になってしまう。
「もう、誰もお前たちを叱ってくれる人が、いなくなってしまった。
 お前たちは『不幸な時代』に生きているのかもしれない・・・・・」

そんな説教をたれていると、また心がささくれ立ってくる。やるせなくなってしまう。
「COTO」の音楽を、すがりつくかのように聴いている。

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