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子供を連れてきてくれた

畳の間で横になって休んでいると、ドアが開く音がし、
「先生、いますかあ」と声が聞こえた。出てみると、やあ~トキヒロじゃないか。
小さな子供を連れている。幼稚園年長の次男と2歳の娘だ。
なるほど、連休で里帰りしてきたんだな、小3の息子は実家にいるらしい。
子供たちはすぐに2階へ上がりたがり、黒板でお絵かきを始めた。
トキヒロは9期生で、30代後半になるはずだ。
中1から6年間通ってくれて、虫の研究がしたいと奈良教育大へ行ったんだ。
卒業後は虫の調査をする会社に就職し活躍している。
一人っ子で特に勉強ができたわけでもなかったが、精一杯将来を考え、
地道に努力して自分の道を切り開いていった。
様々な研究論文を発表し本にもなったという。
最近は滋賀県のトンボの減少に警鐘を鳴らす発表をし、
100ほどの会社から協力を申し込まれ、滋賀県も動いた。
すると国連級の世界機構からも称賛を受け始めたらしい。
「歳を重ねるほどに学ぶことの喜びが増してくる。
 勉強も苦手な僕なんかに、先生が教えてくださった、身に付けてくださった、
 学びの姿勢の大切さ、面白さがどんどんわかりつつあります」
・・・危うく、泣きそうになってしまった・・・・
私は自分自身をちっぽけで鈍くさく、頭の悪い人間だと思っている。
だから何とかしようと努力し続ける真面目さだけは持っていただろうか。
そんな取るに足らない男でも、こうして子供を見せに来てくれる卒業生がいる。
見えない将来へ向けて生徒と共にがむしゃらにやってきたことが何だったのか、
私にもわからなくなりそうなその意味を伝えに来てくれる卒業生がいる。
ほとんどの卒業生とは音信不通になるものだが、
1割ほどはトキヒロのような子がいてくれる。
無上の喜びを感じながら、今の塾生もそうあってほしいと、
もう少し私の教育を続けようと思えた。

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