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スポーツへの憧れ

康太のレシーブがネットに当たり下へ落ちた・・・康太の高校での卓球が終わった瞬間だ。
小学4年の時から毎週日曜に練習場へ連れて行き、ボールをトスしてやる「一本打ち」から始めた。
センスのある子はすぐに上達するが、康太はそうではなかった。
私は卓球コーチとして、福井県で小・中・高校の県チャンピオンを何人も育て、
その中の一人はアトランタオリンピックの日本代表となった。
「その選手」を見て、悲しいくらいに「日本や世界レベルで通用するか」がわかってしまう。
県チャンピオンまでになる子は、初めてラケットを持った瞬間から上手に打てるものだ。
だから康太には「生涯卓球を楽しめるレベル」までにはと願った。
それにだってけっこうなレベルが必要なのだ。例えば宇治市のベスト4くらい。
中学時代はそのレベルへいき、目標はクリアできた。
たくさんの選手に顔と名前を覚えてもらい、たくさんの友達が出来た。
卓球選手としては幸せな中学時代だった。
高校からは・・・「ヘボ」じゃあないけれど、それほど勝てるわけでもなかった。
最後のインターハイ京都1次予選は4回戦の勝ち抜けだ。
組み合わせの「くじ運」はあるが、何とか「決定戦」までは勝ち上がる。
今日はそこで京都学園の「ゴールデンルーキー」に力負けした。完敗だった。
「いやあ~、強かったわ」康太もさばさばと、満足気に上がってきた。

20年来の卓球仲間が、久しぶりに全員顔をそろえた。
すべての息子が今日の予選に出場していたからだ。
子どもが「よちよち歩き」の頃は、「ただ育てる」だけでよかった。
けれど今は「大学はどうする?何をして食べていかせる?」も考えてやらなくてはならなくなった。
一人が言う。
「大学へ行きたいと息子は言うけど、『自分で行け』って言った」
「その私立大だと、初年度は200万円かかるぜ」
「だから・・・そんな金、ないもの・・・」
しかも、あっさり言えば、その大学へ行ったからといって、就職に有利になるわけでもない。
それはわかっているのだけど・・・・・・・・
そのくせ中1の娘は他府県へ「卓球留学」させるのだという。
もっとすごい知り合いは、大阪の高校に籍は置いておいて、ドイツへ卓球留学させるらしい。
すごいねえ・・・けれど・・いったいいくらかかるのだろう。
そして、その息子や娘は・・・それに見合う才能を持っているのだろうか?
私の正直な感想は・・「否」である。
「世界」はもちろん、「日本のトップ」でも「練習したから勝てる」というものではない。
高校生なら「特に練習しなくても、県ではダントツ」レベルが必要だ。
だって「そんな奴ら」ばかりが全日本にやってくるのだから。
「そんな、若者の夢を砕くようなこと言わなくても・・・」
そうかな?甘い夢などすぐに「ずたずた」にされるのがチャンピオンスポーツですよ。
99パーセントの選手が夢破れ、どっかへ行ってしまう世界なんですよ。
私には康太をそういう世界へ放り込む度胸も考えも、金もない。
卓球で「食べて」行くことは出来ない。けれど生きる「楽しみ・糧」にすることは出来る。
「いやあ~、やっぱ強い。ありゃあ、勝てんわあ~」
にっこり笑う康太の顔に、私は安堵を覚えてしまった。
今、康太から電話があった。
仲間と晩飯を食いに行くことは聞いていたが、まだどこかへ皆で遊びに行くらしい。
そう、そういうことを大切にしておけばいい。

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