FC2ブログ

生き方を問う

世界の片隅で、たった一人の日本人として生きる人に会いに行く番組がある。
今回会いに行ったのは、ウルグアイだかチリだか、ブラジルの下の方の国で、
広大な農場を営む72歳の男性。40年以上も日本語を話さないのに流暢な日本語だ。
18歳まで東京に生まれ育ち、サラリーマンにでもなろうとしていた。
しかし私の10歳年上ということは、学園闘争へ向かおうとする世代で、
ヒッピーや集団就職なども含めて「どのように生きるか」を強く考えた世代だ。
「自然が好きだから」と自衛隊に入り、志願して北海道の駐屯地へ行った。
そこで知り合った現地のおじさんは、「わしは小学校も出ていない」と言いながら、
魚の取り方や罠の仕掛け方など、たくさんのことを知っていたという。
「この人のように生きたい」と海外派遣の制度を利用し、南米へ渡った。
アンデス山脈の中へ入り、3年も開拓の仕事をした。給料は金ではない。
「山の中では金は使えないから」、3年でもらったのは車2台。
過酷な毎日だったろうに、「面白くて面白くて、これ以上ない日々だった」
野生のシカなどは素手で捕まえ、ご飯のおかずにするのも楽しかった。
山を下りてからは引き継ぎ手のいない、今の農場で働いた。
農業は全く知らなかったが、自然と触れ合えるのが楽しかったという。
金のためでなく、生き様を生きるのだから、よく働いたのだろう。
農場主の目に留まり、
「この農場をお前にやる。年頃の孫娘もいるから、ついでにそれももらわないか?」
考えもしなかった結婚をし、子供もできて、農場を続けている。
まあ、ずいぶん変わった人だし、とても真似はできないが・・・素敵だ。
生き様を問うという風潮は、今の日本にはない。
私ですらこの歳になってようやくそれを問い始めたばかりだ。
アンデスの山を背に農場に微笑みながら娘とたたずむこの人は、
間違いなくパラダイスの住民だった。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

河原

Author:河原
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR