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成長期

中2の今頃、秋は肉体的な成長期だ。
1年前は皆ちいちゃくて、身体に「存在感」はなかったが、今はどの子も存在感が増した。
雀の足みたいだったのがずいぶん太くなり、身体にも厚みが出ている。
成長はそれだけではない。
中学の教師なら経験で誰でも知っていることだが、精神的にも成長を迎える。
本能的な好き嫌いで生きてきたそれまでとは違い、抽象的なことが理解でき始め、
身の回りや人のことにも気を使えるようになり、考えも深まる。
14歳くらいで勝手にそうなるのだが、実は勝手ではない。きちんと躾けられるからだ。
小学校よりも活動範囲が広まり、クラブなどで上下関係も覚えてくる。
語学や数学などの知識はバラバラのように思えたが、そのつながりがわかり始める。
これは・・・勝手にはそうならない。必死に鍛えてきたからだ。
1年前はあまりにも理解力が弱く、叱られてもその意味すらわからなかった。
私自身ふと気が付くと、中2の連中を激しく叱ることがめっきりと減っている。
私は優しくなどなっていない。少し注意するだけで、叱る必要が減ったのだ。
もちろんまだ複雑な応用問題までは手がつかないが、
基本を理解する手ごたえははっきりと良くなったし、
ちょっとしたものならそれを応用することもできるようになってきた。
ただ暗記していたそれまでと違い、成り立ちや構造まで目が届くようになってきたんだ。
それを理解という。今の世間がすっかり忘れている手応えだ。
毎週の授業の後は「全然賢くならん。どうしたものだろう?」 その繰り返しだが、
厚さのない薄紙を貼り続けていると、いつの間にか厚みがわかるようになる。
子育てとは、教育とは、そういうものだ。
何もしないのに、ある日突然がらりと変わるなんて、ゲームの中にしかない。
湖に優雅に浮かぶ白鳥だが、激しく水をかく足は見えない。
薄紙を貼る作業など、誰も見てくれず、理解してくれることもない。
ようやくここまで来た。このクラスは高校へ行くまで新規の募集は中止する。
「うちの子もすぐに皆のようにしてくれ」と言われても、
もうそこまでする時間も気力もないからだ。この8人を仕上げるので精いっぱい。
教師なんてその努力をわかってもらえない職業だが、
生徒のそうした成長をはっきりと見られることが楽しく、それだけで救われる。
来週からは「合同」で、初めての「証明」をやる。
何としても、さらに高みへ登らせようとしている。

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