アイスクリームで乾杯

電話が鳴ったのは12時10分。ヒカルは本当に不思議そうだった。
「・・・いや・・・なぜか僕の番号があるんですよね。
 しかも後ろに“C”とあるから、それは物理工学のはずなんですけど・・・」
「やったな!やっぱり合格してたじゃないか!」
「い、今から大学へ行って確認してきます。4時ごろ教室に行きます」
インターネットで見たんだから大学の発表を見ても同じだと思うけど、
まあ、記念写真も撮りたいのだろう。鴨川に身投げせずに済むわ。
午後に待っていると、3時過ぎにコウスケ・ソウタ・タクミの3人が現れた。
工芸繊維大・滋賀県立か関大、立命館大に決める3人だ。
教室に置いた問題集などを片付けに来たらしい。
「ちょうどいい。今にヒカルも来るから、アイスクリームを買ってきてくれ」
私とヒカルの分は買ってあったのだが、3人の分も用意しておこう。
一つ300円だから1200円・・・へ?900円でいいじゃん。
私も浮かれていたのだろう、勘違いしていた。
すぐにヒカルが現れた。おや?お母さんもいる。車で行ってきたようだ。
アイスクリームを余分に買っておいてよかった、乾杯だ!
今年もまた、ものすごい大学名ばかりになってしまった。だから勘違いされる。
私は大学へ入れるのがうまいんじゃあない!
この子たちはこの1年、自分で受験の準備をし、自分で勉強した。
私にうまいところがあるとすれば、そうさせるように育てるところだ。
足腰を鍛え、基礎を鍛え、方向性を何度も修正する。それしかやってやらなかった。
合格はすべてこの子たち自身のてがらだ。私は横にいただけだ。
だからこの子たちは合格で終わりではないことを知っている。これは新たな始まりだ。
これからどんな面白い勉強が始まるのだろうか。何が見えてくるのだろうか。
今までより勉強量は増やさねばならない。
合格を終わりと思ってバイトと遊び三昧の大学生は多いが、
そういう子らは大学の意味も、勉強も意味も分からない。
お前たちは違うはずだ。さらに学んで羽を生やし、高く飛び立とう!
翌朝来てみると、教室はきれいに掃除されていた。拭き掃除までしてくれたようだ。
ありがとう。お前たちの未来に、もう一度乾杯!

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