嵯峨野には合格

車から飛び出してきたアヤが、普段はあまり感情を出さない子なのに満面の笑みで
「合格しました♪」
嵯峨野高校こすもす科。2年連続落とされていて、合格は真子以来か。
母も興奮していたのかバックで車を車庫入れしてる時、
ゴーヤのプランターにぶつけてしまって二つとも割ってしまった。
あ~あ、ま、しゃ~ないわ。私もうれしいから勘弁してあげよう。
その興奮には理由があった。家族で合格をあきらめていたからだ。
数学は全く手が付けられなかった。1の計算問題2題だけは計算したが、あっている自信もない。
後でもう一度やらせたが、セオリーを無視して腕力だけで計算していた。
挽回しようとした英語は、最後のページがあることを見落としていて、
終了間際に見つけたが、解く暇はなかった。
「もう、ダメだあ~~!」
ラッキーもあった。数学は難しすぎて誰もが計算問題しかできなかったろう。
「テクニックがわからなかったら、腕力で計算」。それは授業で練習していた。
そういうことをするとたいていミスするのだが、アヤは正解していたようだ。
得点は20点ほどあり、たぶん・・・合格者の平均くらいだと思う。
英語は、解いたところの正答率が高かった。これは力を持っていたからだ。
すると・・・国語・理科・社会では負けないので、十分合格したのだろう。
こういうところに合格するから「どうせ賢い子ばかりが・・・」
と言われるのだろうが、全然違うことは、親も周辺の人も知っている。
3年前に現れたアヤはとても小さく、不器用で、力は持たなかった。
唯一、正面から取り組む真面目さだけは持っていた。それしかできないからだ。
中学の勉強はそのほとんどが「とりあえず覚えておけ」だから、
コツコツ暗記すれば成績は取れる。しかしまだそれは「賢さ」ではない。
私は不器用なアヤに「整理の仕方」だけを教えていった。
それを「フォーム」にすることができれば、5時間かかるものを2時間で済ませられる。
けれどそれでも2時間はかかる。アヤは3年間その2時間をやり続けた。
家が遠いことから学校から直接やってきて、フリースペースでコツコツやる。
いつの間にかそれがこの子のフォームになった。
それができれば突出はしなくても、一定のタイムは出せるようになる。
私がやっているのはそれであって、それが教育の本質だ。
その作業は高校でも続き、フォームを練り上げることだけで精いっぱい。
それしか教育にはできない。進学は勝手に自分でやればいい。
大学や社会に出て、そのフォームをさらに柔らかく、質のいいものにしていく。
それができるような基礎作りが高校までの教育目的のはずだ。
世は、そういうことをすっかり忘れてしまった。
誰もやってくれないから仕方なく、こんなヘボな私がやっている。
ミクはおそらくギリギリで落とされた。ま、しゃ~ないわ。中期で進もう。
中期を受けるのはあと4人。中学でのフォームは出来上がっている。

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