工夫

広告代理店創美の小森さんは昨年末、星野監督と会食したそうだ。
亡くなる直前だったが病気のことは何も言わず、元気そうに見えたという。
「またどこかの監督をやってくださいよ。話は来てんでしょ?」
「いやいやプロの監督は身体がついていかんよ。子供の指導をしたいなあ。
 今の子供ってわしらの子供時代のように、馬鹿笑いせんやろう?」
子供の頃、広場や稲刈り後の田んぼでよくやった「三角ベース」。
ゴムまりのボールはあっても、ベースは地面に書くだけだし、
勝手に竹藪へ入って切り出してきた竹がバットだ。竹だとよく飛ぶんだ。
「たまらなくおもしろかったなあ。大笑いしながらやってたよなあ・・・」
施設もないし道具もない。拾ってきた角材や切り出した竹をバットにする。
おそらく・・・自分たちで考える、そういう工夫が面白かったんだ。
今は幼児教室でも全員ユニフォームを着ているし、道具もグラウンドもある。
「でも、わしらのように大声で笑とらんのや・・・。本当の面白さがないんや」
上手になるための材料はすべて整っている。子供は指示に従って動くだけ。
頭を使う余地はなく、何も考えずに言われたとおりにするだけ。
確かに昔より早くうまくなるのだろうが・・・何が面白いんだ!
上手になる満足感はあっても、私たちのように大笑いできるはずがない!
なるほど・・・星野さんは最後にそこを見ていたのか・・・・
野球だけじゃなく、今の日本ではすべてがそうなってますよ。
教育も・・・見た目だけきれいな教室があり、
中身はでたらめでも、解き方だけは書いてある教材はたくさんある。
教師も生徒もその中で教材をこなすことだけに没頭する。
とてもそこには足で地面にベースを書いたり、竹を持ってきてバットにするような工夫はない。
転んで擦り傷を作るようなことはないし、怒鳴り合うことは絶対にいけないし、
かがんでズボンのおしりが破けることもないし、怒りや悲しみもないが、
ガハハと笑う笑い声もない。
「数学をどうやるのか、その工夫を自分の生活の中に見つけるんだ。
 数学を勉強する意味は、その工夫を見つけることだ」
私も星野さんと同じものを教育に見ている。
その答えなどあるはずもないが、その方向に歩くことだけは決めている。

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