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おっちゃんでもいいの?

NHKの「プロフェッショナル」はいい番組だね。昨日は「舞妓」を取り上げていた。
中学を出たばかりの娘が親元を離れ、10ヶ月の「仕込み」を受けていく。
踊りや芸事の練習に目が行きがちだが、大半は作法と気配りの訓練だ。
部屋の中で姉さんたちが客をもてなすとき、外の廊下でじっと待つ。
「これを片付けて」「あれを持ってきて」 裏方の仕事を全部しなくてはならない。
今どき京都の人間でも使いもしない「京言葉」も覚えなくてはならない。
華やかな世界だけをイメージし、「金もうけ」を考えるだけの子は続かない。
続けられる子はまわりのたくさんの大人たちに支えられる。
着物や帯を作る人、化粧や着付けをする人、髪を結う人、置き屋の女将さん・・・
大人たちは意外にも、「その子のために」ということは、あまり考えていない。
どの人も自分が何かをしてやれるほどの人間ではないと思っている。
他にやる人がいないから、強いて言えば「京文化を継承するために」
自分が仕事を手伝うのが義務だと思って、淡々と仕事をしている。
「俺と同じだ・・・・」 すごく心打たれた。
子供を育てるのは大人の義務で、当たり前だから褒めてもらうものでもない。
教育とは「どこかへ入学させる」ことではない。
その後の人生を、周りを見ながら自分の足で歩けるように、
さらに自分で学んでいけるように、基本を叩き込むことだ。
舞妓見習いたちも「芸ではなく、人間を磨け」と教えられる。
甘くはない。オフに皆で私服で遊びに行っても女将さんは、
「大声で笑わない!おしぼりの封を何で切ってあげないの?!」
躾は24時間なのだ。・・・・・私のやっていることと同じだ。
型ではなく心の在り方を指導するから、成績だけを、心地よさだけを
求める人にはわかってもらえず、罵って辞めさせる親もいる。
舞妓見習いの親にもそういう人は多いのだろう。
そういう時は支えていた大人たちや、私も、ただ黙って耐える。
うまく卒業させて次の世界へ送り出すとき、時々感謝の言葉をもらいもするが、
当たり前のことをやっているだけだから、あまりよく覚えていない。
うれしさを感じるのは、少し違うところでだ。
「フン」という顔つきで、愛想のかけらもない、舞妓見習いと同じような歳の娘がいる。
「受験だから英語や理科も教われば」と、母親が声をかけた。
「その教科は河原先生じゃないから・・・自分でやる」
こんなおっちゃんで、子供の機嫌を取るわけでもなく、
ほとんど義務感だけで指導している私を、信頼してくれている。
舞妓たちを支える大人たちと同じだ。「へ?こんな俺を信頼してくれるの?」
そう言う信頼が一番うれしい。
卓球に来ている3人の小学4年生が、来年の登録を済ませた。
この子たちを高校を卒業させるとき、私は70歳になる。
そんなじじいが信頼されるかは全く自信もないが、舞妓を支える人たちに80歳も珍しくはない。
私も自信はないが、負けずに淡々とやれればと思っている。

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