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典型的な例

昔に少し見た子だ。
頭の回転は速い子で、公式なんかすぐに覚えられるのに、
理屈や構造ばかり説明する私の授業は面倒くさがっているのはわかっていた。
「これは直してやらないと・・・」
そう思っていた矢先、中1に入ってすぐにやめてしまった。
すぐにやめる子のことはすぐに忘れてしまうが、その後の話を聞くと、
中3の夏から進学塾へ行き、ものすごく金もかかったが、超進学校高校へ行ったという。
それはすごい、うちをやめてそうなった子は初めてだ。
さすが進学塾だ、高校の名がほしい子は皆そうすればいいと思った。
しかしそういう子は「勉強とは暗記」と思い込む子が多く、さて、その後は・・・
すぐに赤点の連発になったようだ。よくわかる・・・典型的だもの・・・・
その子は受験勉強のように、懸命に暗記しようとしたに違いない。
だってそれが勉強なんだから。
中学までは「関ヶ原の戦いは1600年」と覚えればよかったんだから。
しかし高校からはどの教科も、問いかけが変わってしまう。
「で?誰と誰が、何で戦うことになったの?その後はどうなった?」
・・・知らんし・・・そんなことどうでもええやん、今の話と違うし・・・
そこからが本当の学びなのに、それには思い至らなかったのだろう。
そういう子はどこへ行ってもつぶれるもんだが、超進学校ではそれが早い。
あっという間に勉強がわからなくなって、修正の方法も見えなくなる。
しかし学校生活は楽しい。
2割からせいぜい3割だが、本当に賢い子らが学校生活を支えるからだ。
京都中から集まってくるからね。
目の前の出来事をきちんと分析し、構造をとらえ、うまく解説もできる。
そういう子はいじめという概念もないし、それを許しもしない。
文化祭などは率先して引っ張ってくれるし、楽しくって仕方がない。
勉強はダメになったけど、それだけが救いだ。
さて高3になり、すぐに社会へ出る気もないし、どこか大学でも・・・
「これがやりたい!」と、ある大学を見つける。
もちろん受けに行けば誰でも合格する、専門学校と大差のない大学だ。
その高校からではさすがに珍しいだろう。
まあ・・・うまく進んでくれればいいが、一つ心配がある。
高校生活で楽しかったことをその大学でやりたいのだろうが、
そのレベルの大学だと、高校にいた2割ほどの優秀な子は、まったくいないよ。
「何もできない、何もわからないバカばっかりだ!」
なんて言ってやめてしまう確率はかなり高いと思う。
自分も「その一人」であることは、決して思いつけない。修正ができない。
大学から社会へと、翼を広げて羽ばたくことは、その子にはもうできないのだろうか?
まだ18歳なのに、そうゆう世界があることにも気づけないままなんだろうか?
かつては自分より勉強ができなかった子らが、長い時間をかけて、
まだ小さいがまぎれもない翼を、並の高校で育ててきたことも理解できないだろうか?
その翼は中学や高校の「名」が育てるのではない。学びのとらえ方と方向性が育てるものだ。
私がやろうとし続けているのはそのことだけなのだが、へぼ教師ゆえか、
その典型のようにわかってくれない子が多いことに、ため息が出るばかりだ。

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