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数学の文法

世の中は子供に対して「安全に、親切に」の一色になっている。
けっこうなことだ、文句のいいようもない。
お友達とすぐに連絡が取れるようにと携帯も持たせる。
スマホはメールだけじゃなく、調べ物などあらゆる情報がすぐに手に入る。
まるで理想郷だが、何事も・・・理想どおりには進まない。
「ゲームを何時間もして、少しも勉強してくれないんです」
そう泣きついてくる親はちまたに溢れている。
勉強は懇切丁寧に、決して怒鳴らず、優しく微笑んで教えなさい。
素晴らしい、絶対にそうすべきだ。しかし現場は、それだけでは回らない。
怒られないことをいいことに「小皇帝」になるガキは増えている。
「英語を楽しく話しましょう」。小学校の英語の時間は増えた。
その分ローマ字をやらないせいか、アルファベットをAからZまで書けない、
読めない子は、現場サイドではかなり増えた感があり、英語教師は頭を抱えている。
そういうことの筆頭は数学であり、いかに効率よく成績を上げるかだけ宣伝される。
おかげでガキどももその親も数学って、公式を覚え、
テストでいかに効率よく点数を取るかだけの「道具」として認識される。
いったいなぜ子供に数学をやらせるのか、本当のところは全く見えなくなっている。
中2は文字式演算のまとめ、おそらく中学で最も難しいところをやっている。
文字で累乗法則を使いこなし、掛け算・割り算の混合から整理しなくてはならない。
分数で数字の約分と、文字累乗の約分とでは法則・考え方が違う。
とてもややこしい。これを効率よく教えるのがいいんですか?・・・そうですか。
私はそうはできないし、そこで子供に示すことも違う。
「難しく、ややこしいからこそ、どう整理し、易しく考えられるようにする?」
極論すればそういう作業こそが子供の数学であり、
やり方を暗記するのが数学ではない。
カホは途中まで「暗記でまねて」いたが、後半崩れだした。
タツキとコウスケは最初から私の説明がよくわかっていない。
答えが合うこともあるが、それは明らかにまぐれだ。
数字と文字を分けて整理しない。あちこちに散らばったまま約分しようとしている。
数字と文字累乗では法則が違うから、すぐにごちゃ混ぜになって間違ってしまう。
「そんなに式が散らかってたら、先生だってわからなくなるぜ。
 それをどう整理するかが数学だし、整理の仕方が“大人目線”なんだ。
 お前たちは大人になるためにこれをやっている。
 大人になるために、いいか?もう一度ちゃんと話を聞け。
 話が聞けるようになるのも大人になるための練習だ!」
もう一度・・・ではない。何度も席に戻らせ、怒鳴りつけながら繰り返す。
すると・・・まとめない自分のやり方がどれほどややこしいのかがわかり始め、
整理するとどれほど易しくなるかがはっきりとわかってきたようだ。
その感覚ははっきりとコウスケとタツキを興奮させている。
3人とも整理の理由を知り、まったく間違えなくなり、最後はこぶしでガッツポーズ。
大人になるために数学をやるんだ。だから私に「効率」を求めた人はやめていく。
昨日の高校だって、並べてみればすごい高校なのだろう。
だから誤解されるのだろうが、それは断じて「効率」の結果ではない。
だって、私はそれをしてないのだから。
数学の文法を示し、その子を大人にしようとした結果がそれだ。
もう私は十分「頑固じじい」の年齢になっている。
世の中がどれほど効率よくなろうとも、数学の文法を変えることはない。

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Re: 数学が語るもの

> 異動が決まりました。
> 最初に講師を務めた最南端の学校です。
> 農業の学校で数学なんて大嫌い、苦手過ぎて見たくもない生徒と過ごしました。
> 受験数学とは違い、自由にやらせてもらえた6年間。数学面白い‼️楽しいと笑ってくれるようになり、本当は違うけど数学得意って言うまでに成長した生徒達。
> 難しい公式を使いこなすのが数学じゃない、何を聞かれているのか、どう答えて行くのか。考えをまとめて、表現する。
> 黒板の前に自由に出てきて解答を描く姿は、中学までオール1に近い生徒とは思えません。
> 確かに、課題としては難易度は低いです。でも、確実に数学と向き合い、取り組む姿勢は社会人となっても通じるかなとおもいます。
>
> 今度は、京都府内の超進学校。
> 偏差値が全てに近い世界にどう挑むか…
> まだ未知の世界です。
> 初めての中高一貫。入学生は能力は高いはず。
> 数学の解き方を教えるのではなく、数学で遊べるような自由な発想を育てて行きたいですね。

高校生を見る目、数学のとらえ方が、お前は素晴らしいね。
次の高校で何を見、どう行動するのか楽しみだよ。
ま、うまい飯でも食べてパワーをつけよう。
いつでも連絡してくるように。
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河原

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