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通過点

「ハヤトは合格しましたか?」
中3理科担当のシンヤが心配そうに朝一番で聞きに来た。
「おう、問題なく合格したぞ」
シンヤはうれしいというより、ほっと安堵の笑顔を見せた。
「桃山自然科学も受かった・・けどなあ・・・嵯峨野はダメだったんだ・・・」
シンヤはふふふと小さく笑った。
「それは・・そもそも受かるのが難しいし、今失敗しておく方がいいのでは?」
シンヤ自身が桃山を落ちたが、菟道から現役で京都工芸繊維大に合格し、
この1年学びの楽しさを感じながら、大学に激しくしごかれている。
高校は通過点に過ぎず、本当の学びに触れなくては意味がなく、
それさえ身に付ければ大学進学には影響しないことを、
自分の経験から身をもって知っているのだ。
嵯峨野を落とされたからって「それがなにか?」軽く言うシンヤに
私の心も少し軽くなった。
ただ・・・勉強だけならそうなんだけど、他の要素がねえ・・・
去年のカンナも「勉強と卓球が思い切りできるとこへ」と
嵯峨野に、少し無謀気味だがチャレンジはしたんだ。
跳ね返されたけど、今はすっきりと菟道でどちらも頑張っている。
今回は勉強と将棋で、私の中では将棋のほうが少し重要だったというわけだ。
それがダメになって私がずいぶん落ち込んでしまった。受からせるつもりだったから。
でも・・・ま・・・仕方ない。残り6人は中期できっちり合格しよう。
シンヤのように3年後は、どこかを落とされた後輩に、
ふふふと笑って「関係ないで」と言えるようになればいいのだから。
合格が少し先に伸びただけのこと。もう少しの辛抱だ。

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