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大人になっていく

真子は成人式の前日に高校の同窓会があった。
嵯峨野高校はいろいろな地域から来ていて、成人式は同じ会場にはならないが、
皆地元には帰ってきているので「会おうぜ」となったのだろう。
浪人していた仲間も多く、さすがに進学校か、進んだ大学もすごいところが多い。
「医学部かあ、すごいなあ」「お前の阪大後期もえぐいぞ」
苦労話あり、進路先の話ありですごく盛り上がったという。
それゆえか、帰ってきた真子は成人式が少し不安だった。
「小・中学時代にそこまで親しかった子は・・そんなにいないしなあ・・・」
高校で遠くへ行ったので、話が弾むかどうか心配だったのだ。
・・・心配など無用だった。晴れ着同士の女の子は「キャアキャア」だし、
あまり話したこともなかった男の子でも、「お前真子か、変わらへんなあ」
などと話しかけられ、高校同窓会以上に盛り上がったらしい。
故郷へ帰ってきた実感がしたのだろう。
子供のころは何とも思わなかった山や川でも、改めて見ると懐かしい・・・
子供のころにはできなかった話ができる。そう、皆大人になっているんだ。
週末は受験本番のセンターテスト。最後の対策授業をした。
実戦形式でやったが、誰もが最高得点を取って見せた。
それぞれが冬休みに調整し、それぞれの準備を進めていたのだ。
「ご苦労さん。大学へ行けば今までとは違い、答えのない問題に取り組む。
 そこで必要なのは公式や単語をいくつ覚えたかではなく、方向感覚だ。
 どの方向を向き、どのように準備するのか・・・そういう感覚だ。
 お前たちは自分にできる限りの準備をしてきた。それゆえの緊張はあるだろう。
 しかし不安はいらない。どういう状況でも必ず力は出る。
 そういう準備はできたんだ、頑張ってこい」
授業を終えると皆少し興奮していた。
「あ!ここはこういう勘違いしてたわ」「こう図を描いたらすぐわかるで」
公式の話など何もなく、考え方・とらえ方の検討を繰り返している。
また一つ大人の階段を登れたようだ。恐れることなく受験を迎えよう。

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