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終わらぬ人 ①

東京三鷹にジブリ美術館があることは聞いている。
学生時代2駅手前の西荻窪にいたので、三鷹へは行ったことはあるが、
街の地理などはほとんどわからない。
まあ、三鷹の駅で降りて「ジブリはどこですか?」と聞けば、行けるのだろう。
美術館から歩いて3分のところにアトリエがあり、そこに宮崎駿さんはいた。
「なんだ?カメラなんか持って。俺は引退して終わった人だぞ。撮るものはないだろう」
いいえ宮崎さん、私たちファンはあなたの映像だけでも見たいのですよ。
かつては300人がアニメ作成をしていたアトリエは、今ではだれもおらず、訪問する人もいないという。
「俺は今の世の中に合わせて生きようとは思わないから」
愛想のない話し方。すましていると少し生意気で怖い顔。
しかし笑うと・・・その笑顔は宮崎アニメの笑顔そのものだ。自分の笑顔を描いたのでは?
歯をむき出しに笑い、何とも可愛らしい顔になる。75歳にそう言っていいかはわからないが。
そんな素朴な笑顔と物言いが好きなのだが、人気絶頂で引退された理由がわからなかった。
「のろまになってしまった」
絵を描くのが遅くなり、製作日数がかかり、儲からなくなったということは聞いた。
そりゃあ日当1万円でも、300人いれば毎日300万円が消えていくわね。
しかし宮崎さんの手が遅くなっただけで、そんなに時間がかかってしまうものだろうか?
300人も手伝うスタッフがいるのに?その理由がよくわからなかった。
今回宮崎さんは、今までやらなかったCGを取り入れて短編を作る気になった。
「アナ雪」「スターウオーズ」 今やCG全盛期で、それなくしては映画も作れない時代だが、
宮崎さんは「手描き」にこだわっていたのだ。
「手で描ききれないものを、CGなら描けるかと思ってね」
若いCGエリートたちがやってきて、CGの説明を聞くと、宮崎さんは面白がった。
あの笑顔で笑い「可能性を見つけた気がする」
確かにCGは何万本もの毛をリアルに描くこともでき、そういう面では断然速い。
これはいけるかも・・・・しかしそうではなかった。短編なのにまったく作業は進まない。
宮崎芸術・宮崎哲学の真髄が映像にとらえられ、引退の本当の理由がわかった。
それは私も日々直面し、思い悩むことでもあり、何度も見入ってしまった。

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