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大徳寺

康太は金曜の夜中12時くらいに帰ってきた。
東京はハロウインで盛り上がっていて、友人たちは誰もが予定があって、
泊まるところがなかったのだ。
2週間のインターンシップでは毎日の研究・実験を報告書にまとめるという、
職員と同じ仕事をやっていたようだ。
慣れないから大変だが、先輩に教わり、お手伝いはできたらしい。
お昼は食堂で先輩たちと食べるが、様々な雑談がやはり大人の会話であり、
学生とだけ話す大学とは違い、とても面白く参考になったという。
これで康太の10月は、3日間神戸の学会で発表、1週間を東京の企業の工場見学、
そして2週間をやはり東京でインターンシップ。ほとんど京都にいなかった。
それぞれに発表もレポートもあって忙殺されたが、若くてそれだけの仕事をさせてもらえるのはありがたい。
土曜にはいつものように真子が洗濯物を抱えて帰り、日曜は日本晴れ。
こういう日に家族でどこかへ出かけるのは我が家の習慣・決まりだ。
女房が子供のころによく行ったという大徳寺まで出かけることにした。
地下鉄で北王路へ行き、西へ1キロほど歩くと大徳寺だ。
中には「○○院」という建物が何十もあり、いくつかが公開されている。
とても広くて石畳の道を歩くだけでも心が安らぐ。白人系の外国人がたくさん歩いていた。
最初に高桐院に入った。入り口から細い道が竹やぶに囲まれていて、とても風情がある。
中の庭もきれいに整備されていて別世界。信長や細川ガラシャ夫人の墓があった。
ほっこりして出てくると、いったん大徳寺を出て、隣の野々宮神社へ行く。
「あぶり餅」という名物をおやつに食べるのだ。
門前には二軒の店があり、どちらも店前で餅をあぶっている。
竹串の先に一口大の餅をつけてあぶり、白みそだれをかけていただく。
1人前10本ほどで500円。さっぱりしてとてもおいしく、大繁盛も納得。
びっくりしたのは伝票がないこと。食べた後店前のところで自己申告して支払う。
4人前だったが「2人前」と申告されてもわからないだろうし、
支払わないでそのまま出て行ってもわからないのでは?人の性善説で成り立っているようだ。
おやつの後は再び大徳寺を歩き、龍源院へ入った。
ふすまに描かれた「竜の図」が、雄々しくもあり愛嬌もある。
石庭がいくつかあり、まるで宇宙を表現しているようだ。
壺石庭は小さいが、水滴が水面に落ちたかのように砂利を盛り上げてある。
一滴の水が大海になることを暗示しているそうだ。
さんざん歩いて足はくたびれたが、家族全員、心はリフレッシュできた休日だった。
月曜から康太と真子は大学へ行き、忙しい日常が始まる。

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