FC2ブログ

テスト前の風景

お昼を食べに帰ろうと外へ出ると、ヒョコヒョコとリノが歩いてきた。
西城陽も火曜から試験が始まってんだな。
たぶんお母さんはパートで、夜まで教室で勉強して、お母さんの帰りに拾ってもらうんだ。
4時ころにモエが学校から帰ってきて、さっさと理科教室にこもった。
フリースペースのいつもの場所にリノが座ってたからだな。
どこでもよさそうだけど、意外に座る場所って決まってるんだ。
ハヤトが来て、アキトの問題集の前に座る。これも決まっている。
コウセイは最近来るようになって、やはりいつもの席に座る。
木幡中・東宇治中は水曜から試験だな。
コウセイは中2だが、そろそろ進路を考え始めている。卓球が好きだから「高校でも卓球を」と言う。
それはいいのだが、「卓球“だけ”を」と、卓球の強豪校へ行きたいというのはどうか?
誰しもそうだが、中学や高校時代に未経験の将来などわかるはずがない。
学校へ行って、好きなことをやって・・・が永遠に続くと思っている。
もちろんそれは誰でも知っているのだが、それが“考えられない”時期だ。
親や教師がアドバイスしてやらねばならない。
宇治市では優勝したこともあるけれど、山城以上では全く無名。
カリンやカンナにも勝ったことはなく、「全然勝てない」相手がいることは知っている。
知ってはいるけれど・・・もっと練習すれば、あるいは・・・・
私もかつてはそう考えてましたよ。けれど現実は、強豪校へは「勝てない相手」ばかりが集まる。
いくら練習してもその差は開くばかり。決して勝つことはなく、相手にもされなくなる。
それは強い連中でも同じですよ。
「決勝で負けるなら、1回戦で負けても同じ」という言葉を知ってますか?
チャンピオンスポーツにおいては、文字通りチャンピオンしか評価されない。
「2位も1回戦負けも同じ」は、最近のオリンピック選手は誰でも感じてますよ。
それはそれは厳しい世界だ。
中途半端に踏み込んで3年後、進路に窮する子はたくさん見てきた。
スポーツには「ずっと続ける」という楽しみ方もある。
私は自他共に認める3流選手だが、50年も続けるとたくさんいい友達が増えたし、
かわいい小・中学生から「先生」などとも呼んでもらえ、たくさんの試合を見せてもらえ、
近畿や全国大会へも連れて行ってもらえる。
これほど幸せな卓球人生もめったにないと思っている。
そういう楽しみ方だってあるよと、伝えておくのも必要だろう。
5時前にはカリンとサキもやってきた。先の大会で大泣きした二人だ。
フリースペースのどこに座るか迷っている。「二階の英語教室でいいぞ」
二人は喜んで上がっていく。黄檗中は木曜から試験だ。
「お前ら卓球、弱いからな。しっかり勉強して高校へ行けるようにしろ」
電気をつけてやりながら、傷口に塩を塗るのも忘れない。
それが試験前の、教室のありふれた風景だ。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

河原

Author:河原
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR