FC2ブログ

どこへ進学させるのか

確かに隣の家の芝は蒼くてきれいに見えるものだ。
値段の高い店の食べ物はうまそうだし、高級携帯には様々な機能がついているのだろう。
しかし、高いものにしかうまいものはないのだろうか?
自分の「実生活」に、高性能のどこまでを使いこなせているのだろうか?
「高い店だ」「高性能だ」と言う噂に飲み込まれる時、人は自分の思考を止めるようだ。

母子家庭だと言う若い母親が、
「子供をシュタイナー学校に入れようかと思いますが、先生の意見を聞かせてください」
そう言って教室にやって来た。
・・・やはり、新教室にする時に「河原教室」として、シュタイナーの名をはずしておくんだった。
もう今の私はシュタイナーのことなど忘れてしまったし、シュタイナー学校の現状も知らない。
「で?なんでシュタイナー学校に入れたいのですか?」
「素敵な大人とたくさん出会わせたいからです」
「シュタイナー学校には素敵な大人がたくさんいるんですか?」
「それはわかりませんが、私は中学までしか行っていませんが、勉強の押しつけが我慢できませんでした。
 押しつけではなく“豊かな授業”を受けさせて、良い出会いをさせたいのです」
「豊かな授業とはどういうものですか?勉強を押しつけなければ良い出会いがあるのですか?
 あなたは自分の子供に、どうなってもらいたいのですか?
 それはシュタイナー学校でしか出来ないものですか?」
「・・・・・・・・・・」

彼女もまた「現代の人」であった。今のコマーシャルは言葉でイメージを植え付けようとする。
「素敵な大人」「豊かななんとか」・・・うわあ~、いいなあ・・・
素敵な大人ってどういう人だろう?もちろん私の知り合いにも何人かはいる。
卓球仲間のミヤなんかは人間性のすそ野が広く、昔から素晴らしい教師だし、
長野の藤井さんや鈴木さん、吉良さんなんかも弩級に素敵な人だが、私はそんな人間ではない。
豊かさ・・・あなたにとって豊かさとは、具体的にどういうもの?
そういうことを何も考えず、ただ漠然としたイメージに酔っている。

「教育って、本当には、何になるのかは良くわからないものです。
 “将来この子を助けてくれますように”と、我々教師は子供の中に知識を入れます。
 しかしそれが将来発動してくれるのかどうか、いつどのように発動するのかなどわかりません。
 うちの生徒は数学を好きになる子が多く、ものすごい学校へも入学しますが、
 それはあくまで通過点であり、おまけです。それが狙いでも、願いでもありません。
 私の数学教育が発動するにしても、それはもっと先の話なのです。
 あなた自身がまだ、教育についての理解が不足しています。
 もっと勉強してください。あなた自身がもっとたくさん素敵な人に出会ってください。
 イメージだけではどんな学校へ子供を入れようとも、失望するだけです」

「良い学校」などどこにも存在しない。
親や生徒自身の努力が、その学校を良くも悪くもする。
ごくありふれた木幡中学と、並みの公立莵道高校だが、まぎれもなく康太にとっては
素晴らしい中学であったし、最高の高校なのだ。
簡単なことだ。どこへ行こうが、その学校を最高のものにすればいい。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

河原

Author:河原
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR