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人たるゆえん ④ 息吹き

最終週の午後は中3と中1の数学。授業1時間前にジュンとカンナが「こんにちは~」とやって来る。
真夏の今、少し緑の濃くなった葉をイメージする。
2時間あとに中1のカリン・サキ・リュウジ達がコロコロとやって来る。色の薄い双葉だ。
どの子も嬉しそうに、楽しそうにやって来てくれるのが、こんなおっさんの心を和らげてくれる。
中学生は人生において、まだ夜明け前かと思う。目覚めてもいない。まだ人としての活動もない。
やがて目覚めていくとき、きちんと目が見えるように、はっきりと自分の位置がわかるように、
人としての活動ができるように、羅針盤や物差しの役目が出来る数学をと願う。
中1はまだ数学とも言えない、「部品」としての数学だ。
方程式の解き方の中で、負の数やカッコ、数式の扱いを練習する。
いくら説明して例題を見せても、すぐに出来るわけでも、理解出来るわけでもない。
戸惑う部分、勘違いしている部分を見つけては、一つ一つを修正する。
一つのトマトをしっかり大きく育てるために、余分な枝や芽を摘む作業に似ている。
こんな作業を6日間連続し、一気に出来るのはかなりいい。
中3はそうやって習い覚えた「部品」を、少し組み立ててみる作業をする。
名前を覚えて終わりだと思っていたのに、それを使って具体的な作業をする。
今まで考えていた数学とは、少し変わって来る。高校への準備に戸惑う。
そもそも部品の名前すら忘れているもんだが、こちらもそれは心得ていて、
そのつど復習して振り返り、振り返っては新たな作業に取り組ませる。
ぼんやりしていたのがはっきりと目覚め、顔つきの輪郭がはっきりしてくる。夜明けだ。
羅針盤としての数学は、もう少しで基礎が出来あがる。この子達を人たらしめる数学。
なかなかうまくはいかない。けれど30年間ずっと、それを願い続けているのには、嘘はない。

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