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真心 ④

トクゾウは天皇が料理を残されると、
「お嫌いか?体調がすぐれないのか?それとも御気分の問題か?わしの料理が悪いのか?」
と毎日気にする繰り返しだったというが、私の仕事もそれは同じことだ。
生徒が遅刻したり休んだりすると「道中で事故でもあったか?家族に何かあったか?」と不安になる。
『連絡すること』と言っているのはそういう不安を感じたくないからだ。
毎回5分、10分平気で遅刻してくる生徒と、それを笑顔で「よく来たね」と迎える講師が、かつてこの教室にもいた。
半年もすればその講師は「あいつらには“わかる”という感覚がわからん」と言い、
今ではどこかの学校で「もう、こういうバカに何を教えていいかわからん」と言っていると聞いた。
信じられない・・・他の教師もそうなのだろうか?そうは思いたくない・・・
だって当然の結果ではないか。その講師は上手に“公式”を教えてはいたが、
“教育”と“育て”は、何もしていなかったのだから。
料理人は一見料理とは無関係な皿洗いから修業を始める。無駄ではない、“心構え”だ。
10分前に教室へ入り、宿題をチェックしながら教師を待つ。
それも「さあ、今から学ぶぞ」という心構えだ。それなくして学びを学べるはずもない。
生徒の調子が悪くてうまく解けないと、「体調が悪いか?俺の説明がまずかったか?」
と悩むのも、トクゾウと同じだ。準備や授業内容を神経質なくらい、毎日修正を考えている。
しかし同時に私は、その生徒が“1週間一度もノートを見てこなかった”ことも見抜くことができる。
烈火のごとくに叱る。
大の大人が、ない知恵を絞って、お前のために何かしようと考えて来たのに、
お前はそれをろくに受け取ろうとしないのか。親に金を払わせて、お前は何をしているのだ!
皿洗いの大切さ、学べるありがたさ、親への感謝・・・は、難しすぎて後にしかわからないものだろう。
しかしその心構えは最初から作ろうとしてやらないと、後にも気付きにくいものだし、
ついには“学ぶことが、どういうことなのか”に気付かないまま終わるかもしれない。
真心は、真心にしか伝わらないのかもしれない。真心は、中学の成績が3か5かとは無関係だ。
私は教師生活晩年においてそれをより強く感じ、“真心の芽”を、
どうにか生徒の心に植え付けようと、もうそれだけを、やろうとしている。

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Re: 伝える


> 毎日、毎時間、一人一人に声をかける。
> 誰が何点だったか、課題は自分でやったから写したか、前回からどう変化したか、メッセージを書いて、言葉で伝えて、全員の前で褒める方が良いか、それとなく気づくのを待つか、一人のときにこっそり声をかけるか、生徒によっていつのタイミングで、どの様にアプローチするか。体調はどうか、家庭環境はどうか、友達関係はどうか、いろいろな面を知った上で伝える。
> どの順番で、いっぺんに言うか、分けるべきく、表現はどうするか。
> 毎日、同じはないし、正解もない。自分は間違っているのでは?不安になるばかり。
> 嫌われることもある。ヤジもある。暴言もある。
> でも、たまに素直にありがとうと言ってくれる。だからまた繰り返し、続けてしまう。
> 本当に、なんでこんな道を選んだんでしょう?やりたいわけじゃなかったのに。そんな風に思うこともあった新人の頃。
> 今は、たくさんの生徒に関われて、教えられることも多くて、信じて預けてくれる保護者がいて、助けてくれる先生もいて、ありがたいなぁと思える様になってきたころです。
>
> でも、河原先生はまだまだ遠いですね。

へ?もうとっくに、一面では、お前は俺を越えてますよ。
その大変さの中になすべき仕事と、小さな楽しみを見つけられれば、
大変ではあるけれど、それを幸せというのだと思うね。

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Re: 幸せ

> 今、和歌山の串本にソフトテニスの近畿大会できています。
> こんなところまで連れて来てくれる生徒にも感謝ですね。
>
> ある意味、甘やかしの面では先生を越えているかもしれません。笑
>
> 本当に、毎日、成長していく姿を応援できる仕事って幸せです。

串本でうまいのは、何と言っても「魚の干物」だ。
朝飯にもついてるだろうが、食いまくって来るがいい。
お土産にするならホテルでは買わず、海岸の掘っ建て小屋の売り場で
「キズもの」を買うべし!どれがキズなのか絶対にわからないし、値段は半値だ。
味は全く同じだし、地元の人はそれしか食わない。
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河原

Author:河原
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