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教科の賞味期限

ほとんどの食品と同じように、実は、教科にも賞味期限がある。
30年前にはそういうことをあまり考えなかった。何歳になっても中学のことを学べると思っていた。
しかし30年の経験から『どうにも・・・賞味期限があるようだ』と実感するようになった。
学べない・・・ということではない。「教科でその子を鍛えることが出来ない」という意味だ。
一つには、内容が基本過ぎてバカらしくなり、継続できないということがある。
中学の全教科がそうだし、高校なら特に物理。
ほとんどが「基本文法を覚えましょう」みたいなことで、それはそれで中学生には大切なことだが、
大人がやるには退屈過ぎて、刺激を受けなくなるし、とても継続は出来ない。
「刺激を与え、賢くする」ということが教科本来の目的だ。点取りでもないし、公式を覚えるものでもない。
そういう意味ではもう、大人が刺激を受けるほどのものでもない。大人を賢く出来る内容ではないのだ。
だから今の私は教科内容自体に刺激を受けることはほとんどない。
ただ、それを中学生や高校生に導入するときには、毎年違った刺激だらけではあるが。
賞味期限の理由はもう一つある。
今日の中1がやる「1次式の和・差の基本」や、中2がやる「1次関数の理論」などは、
この時期にきちんと理解してしまわないと、時期を逃すとそうにも・・・もう理解は無理なようだ。
いや・・・あとから本当に理解が進むということもあるのだが、方向性を間違うと、
高校になっても本当には「内容がわからない」という生徒が思う以上にいる。たくさんいる。
「いくつになっても、もう一度やり直せば、理解出来るだろう?」と言われそうだが、
現場で多数の生徒を見ると・・・どうにもうまくいかない。
「3辺の長さがそれぞれ1の三角形」と言われて、どういう三角形を思い浮かべますか?
「全部1の長さ?正三角形だろ?角は全部60度の・・・」
なのに!いびつな三角形を書いて、それが正三角形だと認識できない高校生が、ゴロゴロいる・・・
今、あなたは唖然とされたでしょう?「信じられない」と思ったでしょう?
教師も同じですよ。毎日そういう生徒を相手にする高校教師も途方に暮れています。
私も30年で、一つの結論に到達した。そういう子にはもう、数学で鍛えることはできない・・・
教師の力不足であり、教師の敗北です。どう罵倒されても、口答えも出来ません。
けれど・・・現場の実感では、事実・・・そうです。そういう子には数学以外のもので学んでもらうしかない。
下働きに出てもいいし、農場で働いてもいいかもしれない。
どこで働いても公式もあれば、職場の文法もあります。なんとはそこで学び、大人になってもらわねばならない。
それは、教科で学ぶより過酷で、厳しいですよ。それに金もかかる。
中・高校生を鍛えるのに、教科ほど安上がりなものはないんです。紙と鉛筆があればできる。
そういうことを経験から学んでしまい、今の私は昔より格段に、授業への焦りがある。
賞味期限が切れないうちに・・・それほど難しいことではないんだから・・・何としても今、理解させていかないと・・・・・
昔と比べて授業準備、例題の配置、時間配分、ぶん殴る強度・回数が違っている。
それが進化なのか堕落なのかは、私にはわからない。ただ、必死なだけだ。
今日の中1・中2の授業も、そういう授業だ。

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Re: 賞味期限と消費期限

> 私も、そう思います。ここで関わる生徒はほとんどが、旬の時に数学を味わってこなかったのでしょう。
> 高校入試で、無理やり基本計算を暗記してきただけ。
>
> もっとはじめに出会っていたら、少しは違う味わい方をできたのでは、、、
> でも、目の前にはなんとか消化させないといけない生徒が待ったなしでいます。
> 旬の過ぎた教科をどう美味しくするかが課題です。
>
> 期末考査前、九九や、引き算のできない生徒に、毎日放課後1週間、色々な調理法で食べさせる。毎日、私がお手上げです。
> でも、その子は毎日、教えてとやってくる。不思議でした。彼の中で少し、味がわかってきていたのかもしれません。
>
> 今回、中間テストでは一桁でしたが、期末テストでは、55点‼︎
> まだまだですが、調理法をなんとか工夫して、少しずつ食べさせていこうと思います。


ほんとにしんどいよな。しかも「○○大学合格」じゃないから、誰も評価してくれないし。
けれどお前のやり続けていることこそが「真心」であり、「真の教育」であることは、
誰が知らなくても、私が知っているよ。共にこのまま、頑張り続けよう!
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