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真心

テレビの天皇の料理番では「真心」がテーマの一つになっている。
トクゾウを首にした華族会館のチーフも「トクゾウの料理には真心がある」と言っている。
皇室のコック長がザリガニの水槽に流す水道の音が天皇に聞こえやしまいかと、
蛇口にタオルを巻いて音がしなくしたが、タオルを伝いザリガニが全部外へ逃げてしまった。
騒動の責任をとって辞表を出すコック長にトクゾウは
「それは、天皇に聞こえやしまいかという、あなたの真心でしょう?」と引き止めた。
しかし、原作に真心という言葉は一度も出てこない。
いつでも私利私欲なく、全身全霊で料理に挑み続けたトクゾウの生きざまに、
脚本を手掛けた人が真心を見たのだろう。私にも見えた。
皇室厨房の総責任者は福羽という農学博士で、仕事のすきを見ては畑に行ってしまう。
天気が荒れた翌朝、トクゾウが出勤すると、福羽博士がすでにいた。
「どうなさいました?こんなにお早く?」
「ああ、昨夜は空模様がおかしくて、暴風雨になりそうな気配だったから、ちょうど熟した
 イチゴがダメにならないようにと、夜中に駆け付けたんだよ。眠くてたまらん」
この博士も金や名誉ではなく、ひたすら農作物に向き合う人で、トクゾウも大好きな博士だったと言う。
博士は「福羽イチゴ」を開発し、その名は世界中に有名になった。
作者の杉森さんも書いている。そのイチゴは福羽博士が毎日畑に通った愛情の賜物であると。
トクゾウが「すごくおいしいイチゴですね」といっても、
「いいや、まだまだ。僕の狙いはもっと先にあるんだ」と、求め続けることをやめなかった。
愛情を注げば必ず「福羽イチゴ」が出来るものではない。いや、たいていが何もなせないだろう。
しかしノーベル賞に輝いた山中教授・天野教授らすべての人は、毎日毎日向き合う
ことが当たり前だった。そういう「真心」を今の時代は忘れ過ぎている。
勉強しても数学がわからない生徒は、わかる生徒が毎日「数学の畑」を除いていることを
しっているだろうか?
「ようわからん奴やな、どうしてやればええのやろ?」と、毎日数学の様子を見る。
もう一度言おう。真心があっても数学がわかるとは限らないが、数学がわかる子は例外なく、
真心を持って数学に接している。
私が数学を通して、最後に生徒に伝えなければならないのは、その真心だろう。
技術でも点数でもなく、真心を持ってそれに接する。それが人の基本だと、強く思う。
自分では意識したこともないが、私も30年間毎日生徒を見続けた。
おかげで、食うに不自由はしない程度に生かせてもらえた。
そういうことが生徒に伝わればと願う。

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