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うどんのプロフェッショナル ③

師匠に弟子入りした親方は、毎日下働きに追われた。
毎晩小麦粉を練り、次の日の生地を作る。どうして毎日、こんな事ばかりするのだろう?
「同じこと」ばかりで飽きてしまうこともあっただろう。親方は師匠のバックアップには気付いていない。
数年経って初めてうどんを打たせてもらい、師匠に出来を見てもらった。
「うん、上出来だ。85点だな!」 親方は嬉しかった。
『え?試験ってのは60点で合格だろ?俺ってすごいの?もう客に出せるんだ!』
その時の親方には「残り15点」の意味がわからなかった。
後に独立するが、客は全然来ない。おかしい・・・うどんはうまいはずなのに・・・
ある日の客は寂しそうにしている。仕事で香川を離れなくてはいけないらしい。
『よし、とびきりのうどんを食べてもらおう』 親方は気合を入れて作った。客は涙を流したという。
「ああ・・・うまい・・・このうどんを、もう食えなくなるのかなあ・・・」
それを見た親方は思った。
『そうか、心だ!客にうまいうどんを食べてもらおうという気持ちが俺には足りなかった。
 それが師匠の“残り15点”に違いない』
ここまで見ていて私は「そりゃあ・・・少し違うな・・・」と思った。それが答えなら、どんな商売も簡単だ。
それでこのドキュメントが終わりなら、私は感動しなかったし、これを書くこともなかった。
しかし、ドキュメントは終わらなかった。
後に親方は多くの弟子を持つようになり、「残り15点」の、本当の意味に気づくようになった。

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