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20年後のイメージ

「ご無沙汰してます、エリコで~す!」
電話で聞いたその声は20年ぶりくらいだ。中学から高校の頃、ずいぶん手を焼かせてくれた娘である。
娘・・・といっても、もう40を越えただろうか?「お、おう!どうしてたんだ?」
ずっと大阪で暮していて、4月末にこちらへ戻って来るという。
「先生のブログを見つけたんです。まだやってる!先生、全然変わってへん!
 そこでですね、私には小6になるバカ息子がおりましてね、もうアホでアホで困ってます。
 ここはひとつなんとしても先生に見ていただかねばと。満員でも割り込みますからね!」
「もう小学生はやめたしなあ・・・バカ息子って、お前がオカンやろ?
 自分の事を忘れて息子にだけ多くを求めても、贅沢と言うもんやぞ」
「キャア~、先生!それだけは息子にばらさんといて~♪」
卒業生だとこんな軽口も叩ける。懐かしい。私は上品ぶるようになっていたのかもしれない。
変わっていないかあ・・・いやいやエリコ、ずいぶん変わって来たところもあるんだよ。
昔は時間の余裕があった。
「この子に3年で何もしてやれなければ、その後20年でも付き合って、共に考え続けよう」
普通にそう思えた。しかし今は20年後のイメージがわかなくなっている。
20年後は79歳。まだ生きているかもしれないが、今の仕事量は確実に・・・出来ない。
20年と言っても、付き合える子はほとんどいないし、なしもしてやれない事が圧倒的に多い。
毎日考え続け、何かをしても失敗ばかりのように思え、申し訳なさ、挫折感、屈辱感
やるせなさ・・・そんな失敗ばかりで、とても20年後までは耐えられないと感じる。
だから「今、この子を何とかしておかないと」という、焦りにも似た気持ちが昔とは違う。
焦ったって益々うまくいかないとはわかってはいるんだけど、焦ってしまう。
少し気を和らげてくれるのが、コウヤやウネ、エリコみたいに、20年経ってもまだ声をかけてくれる
卒業生がいてくれることだ。今の私ですでに、そういう卒業生に支えられている。
それでももう、いつまで続けられるのかはわからない。
私なんかで何か少しでも役に立つ子だけは預かって、細々とでもやろうか。
エリコのバカ息子かあ・・・またあ・・・大変なことを俺に押し付けるんじゃないだろうな?
何かが出来そうなら、来年の中1から預かることにしようか・・・

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