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初めての笑顔

公立高校前期試験は、それぞれの高校が定員の2割をまず合格させる。
そして残り8割を3月6日の中期試験で選抜する。
何でそんな事をするのか知らないが、そういうことになっている。
前期試験は「チャレンジ受験」の意味合いが強いから、中期試験が1倍強の倍率に対し、
すぐに5~6倍、人気が集まれば10倍もの倍率になることがある。
そうなるともうほとんどの子は「受かればラッキー」ゾーンにいることになる。
うちではコウスケが回避したため、残り6人に「ま、気楽に」と送り出した。
発表当日の4時頃、ヒナが顔をピンクに染めてやって来た。明らかに興奮している。
ヒナは自分に自信がなく、誰と、なにをやるにしても負けてしまうので、競おうとはしない。
高校で何をするかも定かではないが、思いもせず、模試の英語の偏差値がいい。
「へえ~、私って英語はましなんだ・・・」
まるで他人事のように思い、およそ試験などというものに合格する、人に勝てるなどと思えず、
「ま、受けるだけは受けてみよう」と試験に出かけていったようだ。
試験は・・・あまり出来なかった。ヒナも母も「もう、あかんね」などと思っていたらしい。
それで合格したものだからヒナはびっくりし、興奮が治まらなかったのだろう。
「先生・・あ・・ありがとうございました」 その声もまだ震えていた。
外でたばこを吸って中へ入ると、いつの間にかユウカがいた。
にっこりと“笑って”「合格しました」
ユウカは姉のミオがいたので特例として中3からやって来た。1年間、表情は硬かった。
姉よりも真面目にコツコツ勉強するのだが、まったく結果にならない。
ミオに数学を見てもらっても「あんた、根本がわかってないな」と言われる始末。
根本がわかる中学生も、それを直せる高校生も、まずいない。
仕方なく私の元へやって来たのだが、「私はバカかもしれない」と思っていたから笑うことはなかった。
しかし私が見れば、姉に劣らず賢い娘だった。
見えなくなっている数学を少しずつ見えるようにしていくと、ぐんぐんと伸びた。
そして、たぶんそれでもギリギリだったろうが、見事に合格した。
ユウカは心底ほっとしたのだろう。初めての、何とも可愛い笑顔でほほ笑んだ。
手の骨折で鉛筆が握れなかったソウタも、なんとか字が書けるまでに回復し、ギリギリ合格。
後の4人は残念だったが、ま、前期試験はこういうものだ。中期で決めればいい。
3人でも決まってくれたのはホッとするが、明後日は国立大学の前期試験。
ざわざわと、まだまだ落ち着くことはない。

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Re: タイトルなし

や、めったにないくらいにうまくいきました。
生徒の賢さに私なんぞは助けられていますよ。
これからもよろしく!
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Author:河原
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