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鍛える時期

「ナポレオンと秀吉が戦うと、どっちが強いと思う?」
「自分は・・・武器が同じなら、秀吉が勝つと思います」
ドラマの冒頭に出て来た松下村塾の風景だ。そのようだったと文献にもある。
素晴らしい学び舎のシーンだが、それは大学あたりからだと、最近私は思うようになった。
そんな話が出来るということは、お互いがナポレオンと秀吉のことを詳しく知っていないといけない。
その思想・戦術・兵力・時代背景など、たくさん学んだからこそ、そういう授業もできる。
小学・中学から「そういう授業を」が主流の現代だが、それもまた無理な話だと思う。
叔父に殴られ、雨の外にたたずむ妹・文に虎二郎は声をかける。
「叔父の平手は、効くだろう?」
自身が何度も殴られながら学問を叩きこまれた。なぜそれを学ぶのかわからず、ついには逃げ出した。
夜道をさまよううちにふと、学びの意味がわかり始めたという。
そして青年になる頃には叔父の考えを超え独自の思想に至るのだが、文に言う。
「けどな、叔父さんはいい人だぞ。純粋な人なんだ」
そういう鍛えられ方、成長の仕方をあまりにも、あまりにも今の日本は忘れ過ぎているように思う。
体育会系ですら生徒をちょっと「こづく」だけで、指導者の首が飛ぶ。それもおかしい。
子供などあっという間に歳を重ね、つまらない青年になってしまう。
「ナポレオンと秀吉・・・って、誰?それ・・・」 それでは到底面白い授業など出来ない。
数学や自然科学でも語り聞かせてやりたい面白い話はたくさんある。
しかし今すぐそれを聞かせても理解が出来ない。
急いでそこまでの基礎を叩き込んでおかないと、すぐに「時期遅れ」になってしまう。
高校までに、頬が腫れるほどに平手打ちしてでも、叩き込んでおかなければならないものもあると思うのだ。
昔は見えなかったそういうものが、経験を経て私にも見えるようになった。
見えてくると、授業中に笑うことが少なくなった。早く鍛えねばと、焦っているからだろう。
今の私は文を叩いた恐い叔父さんそのものかもしれない。それでいいと思うようになってきた。
嫌われて落ち込む歳でもないし、生徒が減ってもかまわない。
松下村塾へ「送り込むに足る若者」を、育てておこうと思うようになった。

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