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スウィング・バイ

延期されていた「はやぶさ2」が、ついに発射された。ロケットの炎がとても美しい。
52億キロと言う、とてつもない宇宙の旅に出たのだ。
けれど・・・発射時刻は午後1時22分4秒。なぜそんなに中途半端なんだ?1時30分でいいじゃない?
いいや、惑星探査は秒を争う「ピンポイント」でなければならなかった。
これから1年かけて地球もはやぶさ2も太陽の周りを回り、再び二つは接近する。
そこではやぶさは地球の引力を利用し、加速され、いよいよ目指す惑星へ向かうのだ。
引力を利用して加速することをスウィング・バイという。しかし・・・それがよくわからない・・・
はやぶさが地球に再接近すると「落ちて」来るのだから、加速するのはわかる。
けれど離れていくときには「引っ張られる」のだから、結局同じ速さではないのか?
「地球が止まってれば、そうやな」 康太が説明してくれた。
地球は時速30万キロという猛スピードで太陽の周りを回っている。
加速する場合、はやぶさは動く地球の「前の方から」接近しなくてはならない。
加速しながらはやぶさはハンマー投げのハンマーのように地球の後ろを回る。
しかし地球はその時、前の方へ逃げていく。そこではやぶさはさらに引っ張られるのだ。
その引っ張られるエネルギーで加速され、ハンマーのように飛んでいく。
もちろんものすごい精度とタイミングで接近しなくてはならない。
近すぎたり、角度を間違えれば地球に墜落するだろうし、あらぬ方向へ飛んで行ってしまう事もある。
そのタイミングをぴたりと合わせるための「22分4秒」だったのだ。
はやぶさに燃料を大量に搭載できれば、いくらでも調節できる。
しかしそれは出来ないので、発射のタイミングを合わせるのだ。
今回発射できなければ、次は3年ほども後になったらしい。
そんな話をしてやると、「ふう~」っと中2の連中がため息をついた。
「いったい誰が・・・どうやって、そんな計算するん?」イクトが言う。
そのために数学者たちが頑張っているんだ。
康太も3回生の後半の今、聞いたこともなかった「○○関数」「××関数が」たくさん出て来たという。
「ここの・・・この計算は、これを使うと、少し計算が楽になる・・・」
いったいはやぶさの宇宙旅行には、どれだけの関数が使われていることだろう?
それでも科学者達は「わかること、見えることは数%で、90%以上は、まだ・・わからない」と言う。
そう・・・我々一般人は何でも知っていると思いあがっていないだろうか?
生徒は教科書に載っていることがすべてだと思い込んでいないだろうか?
「我々にはまだ1%も見えていないんだよ。もっと勉強して、少しでも見えるようになった方が、いいよな?」
中2達の顔が明るく輝き、何かを決意したような、真剣な表情になった。

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