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すぐに答えさせる

数Ⅱの微文法も導入部分はすっかり終わった。
極限の考え方、微分の定義、接線とはどういうものか。
それらを使って3次関数・4次関数のグラフをいくつも書き、その形を観察させる。
すっかり準備は整った。さあ、いよいよ総合問題だ。グイグイ進めてきた授業もここで腰を据える。
総合問題とは、要は文章題だ。簡素な文章を読みながら意味を捉え、要素を抜き出す。
当たり前の風景だが、多くの高校生はそれが出来ない。文章の意味がわからないのだ。
数学独特の用語もあれば、少しだけど言い回しを変えてあったりする。
理論の成り立ちをきちんと見ない生徒にとっては、たったそれだけで何を聞かれているのかわからなくなる。
「この文章だと、グラフの概形はこうだな?すると、3次の係数は正だ。
 この2点で接線の傾きが0と言うことは、導関数がこの2つの解を持つことだな?
 これは以前にこの単元でやった考え方じゃないか。
 すると関係式が2つ作れる。座標がわかるのだから、もう2つの式も・・・」
解答にも出てこない私独自の捉え方・考え方で要素を確認し、抜き出して行く。
要素をすっかり抜き出せば、後は計算するだけだ。出てきた式を眺め、どう解くかを判断する。
「なぜこんな考え方、計算をするのだろう?点数を取るため?いい大学に入るため?
 親もすっかり忘れてしまっている微分なんて、それ以外には無駄なものか?
 違う・・・お前達が少しでも賢くなるためだ。
 分数計算も出来ない子が“子供が好きだから、保母になる”って、なれるものかな?
 子育ては好きだけで出来るほど甘くはない。その子がどうすれば危険なのか、
 近い将来その子に何を持たせておくべきか・・・すべて観察し、考えてやらねばならない。
 それは答えがある、こんな文章題を解くよりもはるかに難しい。
 点数ではない、大学へ入ることでもない、観察し整理するという力をつけるためだ」
解くよりもそんな話の方が長くなる。
次の問題もノートで解かせるが、一人は黒板でやらせる。最初の生贄はチサキだ。
チサキは黒板に立ち、さっきの問題にならって要素を抜き出して行く。
うちでは普通の風景だが、これ、高校でやらせたらまず無理だ。
生徒はろくに話も聞いてないし、基礎事項の確認もやってもいないから、何も出来ないはずだ。
チサキはすべての要素を抜き出し計算に入るが、どこかで間違えたようで、答えが変になる。
横から見た方が手がよく見える「岡目八目」は囲碁や将棋だけではない。数学もだ。
ノートに解き終えたミヤセが振り返り「ほら、そこ・・・」と小声で言う。チサキはすぐに修正した。
最後の例題の生贄はイッペイ。
やはり計算過程でミスがあり、今度はシンヤがゴショゴショと指摘する。
きれいに解き終えたところで2時間になった。総合問題の捉え方3問で授業はおしまい。
数は少ないがものすごく深く入ったので、なんだか皆はさわやかでうれしそう。
うちの生徒はこうやって知識を積み上げていく。
でも、ゆっくりしたのはその日だけ。来週からはガンガン進める。
生徒達はもう苦しむことはなく、その難しさを楽しむことだろう。

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