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あり得ない風景

カリンが黒板で問題を解いている。算数はまだ卓球ほどには上達していない。
土曜の卓球の練習では誰とでも練習する。年下の初心者の相手もしている。
何げない風景だがこれ、卓球の常識ではありえない風景だ。
カリンは最近シングルス京都チャンピオンとなり、全国大会京都代表になった。
そんな選手が「ヘボ」の相手をするというのが他ではありえないのだ。
「ヘボの相手なんかしてたら全国はおろか、京都でも勝てなくなる」が一般常識。
自分と同等かそれより上の選手、コーチとしか打たなくなる。
まあね、それもスポーツの「真実」だけど、「勝ちを追求するプロ化」するのが私には気に食わない。
確かにスポーツも勉強も「まったく勝てない」と面白くもない。
しかし勝ちにしか興味がなくなると、ずいぶんゆがんでしまうと思う。
数学や語学、自然科学の「面白さ」はどうでもよく、点が取れれば、合格すれば、それでいい。
勉強でもスポーツでも、すべてがそうなってしまっている。だから今の教育現場はこうなってしまった。
家でごろごろしているとカリンは素人の母に「打とう」と誘いをかける。
「試合しよ。10対0からでもええで」
相手がだれであれ、ボールを打つこと自体が楽しいのだ。
点数ではなく数学をするだけで、本を読むだけで楽しい。そういう感覚がなくなり過ぎている。
それは若年層だけではない。老人はもっとひどいかもしれない。
素人の老人は子供となんか絶対に打たない。私のようなコーチに「相手をせい!」と言う。
自分だけが特別扱いされ、自分だけが強くなれればいいんだ。
年寄りほどそういう人が多いから、もうそれは人間の性なのかもしれない。
子供なんか今はヘボでも、相手をしているとすぐに上手になりますよ。
すぐに子供に教えられるようになりますよ。けれどその「すぐ」が待てないようだ。
「共に強くなる、みんなで賢くなる」と言う感覚を、どうして持てないのだろう?
一人例外がいる。男子生徒のおじいちゃんが毎週やって来る。
素人ではないがカリンには全敗で、カンナには最初に勝ったが、その後全敗。
孫の相手に来ていたのだが、そのおじいちゃん、本気になった。
何とかして女の子に勝てるようになりたい。毎週カリン達に試合を申し込む。
毎週負かされ続けるうち、昔の勘が戻ってきたか、上達して来たのか、強くなってきましたよ。
そして先週、ついにセットオールジュースで初めてカリンに勝った。
いい風景だ。勉強もスポーツも、こうありたい。

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